暑い季節が近づくと、涼しげな夏着物に袖を通したくなりませんか?特に夏着物の代表である「絽(ろ)」は、見た目も風通し良く、日本の夏を粋に楽しむのにぴったりです。でも、新品で揃えるとなるとお値段が張るのが悩みどころですよね。そこで賢く活用したいのが、リサイクルで探すという方法です。
リサイクルなら手頃な価格で、掘り出し物の素敵な絽に出会えるチャンスが広がります。ただ、薄物と呼ばれるデリケートな生地だけに、状態の見極めや相場が分からないと不安になってしまいますよね。この記事では、夏着物の「絽」をリサイクルで探す際のコツや、失敗しない選び方を詳しくご紹介します。
夏着物の代表格「絽(ろ)」の特徴
着物を始めたばかりの方にとって、夏着物の種類は見分けがつきにくいものですよね。その中でも「絽(ろ)」は、最もポピュラーで目にする機会が多い夏着物と言えます。まずはその特徴を知ることで、リサイクルショップの店頭でも自信を持って選べるようになりますよ。
1. 透け感のある涼しい織り方
絽の最大の特徴は、生地に規則的な隙間があることです。これを「絽目(ろめ)」と呼び、織り方の工夫によって通気性を高めています。光に透かすと、横にスッと入った隙間が美しい縞模様のように見えるのが分かります。
この隙間があるおかげで風が通り抜け、高温多湿な日本の夏でも比較的快適に過ごせるのです。見た目にも涼やかさを与えてくれるので、着ている本人だけでなく、見ている周りの人にも清涼感を届けてくれます。
2. よく似ている紗(しゃ)との違い
リサイクルショップに行くと、「絽」と並んで「紗(しゃ)」という着物も見かけます。どちらも透け感がありますが、織り方や透け具合には明確な違いがあるのです。この違いを知っておくと、TPOに合わせた選び方ができるようになります。
絽と紗の比較
| 種類 | 特徴 | 透け感 | 用途 |
| 絽(ろ) | 規則的な隙間(縞模様)がある | 程よい透け感 | フォーマルからカジュアルまで |
|---|---|---|---|
| 紗(しゃ) | 全体的にメッシュ状で隙間がある | 全体的に強い透け感 | 主にカジュアル・盛夏向け |
絽はフォーマルな場面でも着用できるものが多く、一着持っていると非常に便利です。一方、紗はより透け感が強く、カジュアルな遊び着として楽しむのが一般的ですね。リサイクルで探す際は、タグの表記だけでなく生地の目をしっかり見て判断しましょう。
絽の着物を着る時期はいつから?
以前は「着物の衣替え」といえば厳密なルールがありました。しかし、近年は気温の上昇に伴い、その常識も少しずつ変化してきています。リサイクルで手に入れた絽をいつから着ればいいのか、現代の気候に合わせた考え方を知っておきましょう。
1. 7月から8月の盛夏が基本
着物の伝統的なルールでは、薄物である絽や紗は7月と8月の「盛夏」に着るものとされています。お茶会や結婚式などのフォーマルな場では、現在でもこの暦通りのルールを守ることが求められます。
特に改まった席に出る予定がある場合は、カレンダーに合わせて7月に入ってから着用するのが無難です。リサイクルで選ぶ際も、この時期に着ることを想定してコーディネートを考えると良いでしょう。
2. 気温が高い6月や9月の着用
最近では5月や6月から夏のような暑さになることも珍しくありませんよね。そのため、普段着やカジュアルなお出かけであれば、気温に合わせて6月後半や9月上旬に絽を着ても問題ないとされています。
無理をして暑い袷(あわせ)や単衣(ひとえ)を着て体調を崩しては元も子もありません。柔軟に「暑い日は絽を着る」という選択肢を持っておくと、着物ライフがより快適になりますよ。
リサイクルでよく見る絽の素材
リサイクルショップで扱われている絽の着物には、大きく分けて二つの素材があります。それぞれに着心地やお手入れの方法が異なるため、自分のライフスタイルに合った素材を選ぶことが大切です。それぞれのメリットを知っておきましょう。
1. 正絹(しょうけん)の着心地と涼しさ
やはり着心地の良さで選ぶなら、正絹(シルク)に軍配が上がります。肌触りが滑らかで、身体のラインにしなやかに沿ってくれるため、着姿が美しく決まりやすいのが特徴です。
また、絹には優れた吸湿性と放湿性があるため、汗をかいても蒸れにくいという利点があります。リサイクルであれば、高価な正絹の絽も手の届く価格で見つけられるのが嬉しいポイントですね。
2. 洗えるポリエステル(化繊)のメリット
一方、ポリエステルなどの化学繊維で作られた絽も人気があります。最大のメリットは、自宅の洗濯機で洗えるという点です。汗をたくさんかく夏場において、毎回クリーニングに出さなくて済むのは経済的ですよね。
素材によるメリット比較
| 素材 | メリット | デメリット | おすすめのシーン |
| 正絹 | 涼しい・着姿が綺麗・高級感がある | 水に弱い・手入れが大変 | お茶会・観劇・食事会 |
|---|---|---|---|
| 化繊 | 家で洗える・雨でも安心・安価 | 熱がこもる・静電気が起きやすい | 普段着・お稽古・雨の日 |
リサイクル市場では、昔のポリエステルは少し生地が硬いものもあります。しかし、現代に近いものなら改良されており、見た目では正絹と区別がつかないほど高品質なものも見つかりますよ。
自分に合う絽をリサイクルで探すコツ
リサイクル着物は基本的に「一点もの」との出会いです。新品のようにサイズを指定して仕立てることはできません。だからこそ、自分に合うサイズや状態のものを見つけるための「探すコツ」を知っておくことが成功への近道です。
1. 自分の着物寸法を事前に把握する
お店に行く前に、必ず自分の「裄(ゆき)」と「身丈(みたけ)」を知っておきましょう。特に夏着物は、手首が出すぎると少し子供っぽい印象になってしまうことがあります。裄丈は慎重に確認したいポイントです。
- 裄(ゆき)
- 身丈(みたけ)
- 前幅・後幅
気に入った柄でもサイズが合わないと、着付けで苦労することになります。メジャーを持っていくか、店員さんに測ってもらうなどして、数字で確認する癖をつけると失敗が減りますよ。
2. 実際に羽織って顔映りを確認する
着物は洋服と違って、畳んである状態と着た時の印象が大きく変わることがあります。特にリサイクルの絽は、経年変化で色が少し変わっていることもあるため、必ず鏡の前で羽織ってみることが大切です。
顔周りに布を当ててみて、顔色がくすんで見えないかチェックしましょう。照明の色によっても見え方が変わるので、できれば自然光に近い場所で色味を確認することをおすすめします。
3. 背中心の縫い目や袖付けの強度
絽のような薄い生地は、縫い目の部分に力がかかると生地が裂けやすくなります。特に古いリサイクル品の場合、背中心(背中の縫い目)や袖付けの部分の生地が弱っていないかを確認してください。
光に透かして縫い目を見ると、生地が薄くなって穴が開きそうになっている箇所が見つかることがあります。これは「目寄れ」と呼ばれる現象で、お直しが難しい場合が多いので注意が必要です。
購入前に確認すべき状態の見極め方
リサイクル品である以上、多少の汚れやダメージはつきものです。しかし、許容範囲を超えたダメージを見落として買うと、結局着られなかったという悲しい結果になりかねません。ここでは必ずチェックすべきポイントを挙げます。
1. 襟元や脇にある汗ジミのチェック
夏着物で最も注意したいのが「汗ジミ」です。着用後に手入れされずに保管されていた着物は、時間が経ってから襟元や脇の下に黄色い変色が出てくることがあります。
これはカビや酸化によるもので、古いシミは専門のクリーニングでも落ちにくい厄介なものです。特に白っぽい色の着物はシミが目立ちやすいので、広げて念入りに確認しましょう。
2. お尻部分の居敷当て(いしきあて)の状態
絽は透ける素材なので、お尻の部分の補強と透け防止のために「居敷当て」という布が裏に付いているものが望ましいです。これがないと、座った時にお尻の縫い目が裂けるリスクが高まります。
- 居敷当てが付いているか
- 付いていない場合、生地に厚みがあるか
- お尻部分の縫い目が広がっていないか
居敷当てが付いていない場合でも、自分で後から付けることは可能です。ただ、生地自体が既にお尻の圧で弱っている場合は避けた方が無難でしょう。
3. 生地の弱りや変色の有無
正絹は生き物ですので、時間が経つと酸化して生地全体が弱くなることがあります。裾の方など目立たない部分を少し引っ張ってみて、生地に弾力があるか確認するのも一つの方法です。
また、畳んでいた折り目の部分だけがヤケて色が変わっていることもあります(ヤケ)。これは着てしまうと意外と目立つので、全体を広げて変色がないかチェックすることを忘れないでください。
夏らしく見える色や柄の選び方
絽の着物を着るなら、視覚的にも涼しさを演出したいですよね。リサイクルには昭和レトロな柄から現代的なシンプル柄まで豊富に揃っていますが、今の時代に着てもお洒落に見える選び方にはコツがあります。
1. 寒色系や白地の涼やかな色味
一番失敗が少ないのは、水色や紺、ミントグリーンなどの寒色系です。また、白地やクリーム色はレフ板効果で顔色を明るく見せてくれる上に、見た目の清涼感も抜群です。
これらは帯の色合わせもしやすく、一本の帯で様々な表情を作ることができます。まずはベーシックな寒色系か白系の一枚を持っておくと、夏のコーディネートの幅がぐっと広がりますよ。
2. トンボや秋草など季節先取りの柄
着物の世界では、実際の季節よりも少し先の季節を柄で取り入れるのが「粋」とされています。例えば、真夏にトンボや撫子(なでしこ)、ススキなどの「秋草模様」を着ることで、涼しさを呼ぶという考え方です。
- トンボ(勝ち虫)
- 撫子(なでしこ)
- ススキ
- 萩(はぎ)
リサイクルショップでこうした柄を見つけたら、それはとてもお洒落な一枚です。季節感を大切にする日本人の美意識を感じながら着こなしてみてはいかがでしょうか。
3. 年齢を問わず着られるシンプルな幾何学模様
花柄などの具象的な柄に抵抗がある場合は、縞(しま)や格子、水玉などの幾何学模様がおすすめです。これらは時代や流行に左右されにくく、年齢を重ねても長く着続けることができます。
帯や小物で色を足せば華やかにもなり、シックにまとめれば大人っぽくもなります。リサイクルでサイズの合う幾何学模様の絽を見つけたら、即決しても良いくらい使い勝手の良いアイテムです。
リサイクル絽着物の相場はいくら?
気になるお値段ですが、リサイクル着物の価格はピンからキリまであります。状態や素材、ブランドによって大きく異なりますが、大まかな目安を知っておくと予算が立てやすくなります。
1. 練習用やリメイクに使える千円台
シミがあったりサイズが小さかったりするものは、千円から三千円程度で売られていることがあります。これらは着付けの練習用として割り切るか、リメイク素材として活用するのに最適です。
また、雨の日用として「汚れてもいい一枚」を持っておきたい場合にも、この価格帯は魅力的です。掘り出し物が見つかることもあるので、宝探し感覚でチェックしてみましょう。
2. 状態が良い美品の価格目安
シミがなく、サイズも現代女性に合うような美品の場合、五千円から一万五千円程度が相場となります。新品で仕立てると数万円から数十万円することを考えれば、これでも十分に破格と言えます。
この価格帯であれば、お出かけ着として恥ずかしくないクオリティのものが手に入ります。初めてのリサイクル絽なら、まずはこのあたりの価格帯を狙ってみるのが安心でおすすめです。
3. 有名作家やブランド品の価格帯
人間国宝などの有名作家が手掛けたものや、老舗呉服店のタグが付いているものは、リサイクルでも数万円以上の値がつきます。しかし、品質の高さや芸術性は折り紙付きです。
価格帯別の特徴
| 価格帯 | 状態の目安 | おすすめの用途 |
| 1,000円〜3,000円 | シミや難あり・サイズ小 | 練習用・リメイク・雨の日 |
|---|---|---|
| 5,000円〜15,000円 | 目立つ難なし・美品 | お出かけ・ランチ・観劇 |
| 30,000円以上 | 作家物・未使用品 | フォーマル・特別な日 |
良いものを長く着たいと考えるなら、少し奮発して質の良いリサイクル品を選ぶのも賢い選択です。新品価格の数分の一で最高級の着心地を手に入れられるのは、リサイクルならではの醍醐味ですね。
絽の着物に合わせる帯の種類
着物が決まったら、次は帯選びです。夏着物には、やはり夏用の帯を合わせるのがルールです。着物の格やTPOに合わせて、適切な帯を選ぶことでコーディネートが完成します。
1. 夏の名古屋帯や透け感のある博多帯
絽の着物には、「絽」や「紗」、「羅(ら)」などで織られた夏の名古屋帯を合わせるのが一般的です。特に「紗献上(しゃけんじょう)」と呼ばれる博多帯は、キリッとした印象で締めやすく、初心者にも扱いやすい一本です。
お太鼓結びをすることで、きちんと感が出るため、美術館やちょっとしたお食事会にも自信を持って出かけられます。帯揚げや帯締めも、透け感のある夏用のものを合わせるのを忘れないでくださいね。
2. 半幅帯で楽しむカジュアルな装い
もっと気楽に街歩きを楽しみたい時は、半幅帯(はんはばおび)を合わせてもOKです。最近では麻素材やポリエステルの夏らしい半幅帯もたくさん作られています。
半幅帯なら帯枕や帯揚げが不要なので、背中が涼しく過ごせるという大きなメリットがあります。浴衣感覚で気軽に着たい日は、半幅帯で軽やかにコーディネートしてみてはいかがでしょうか。
リサイクル着物を購入できる場所
実際にリサイクルの絽を探しに行くなら、どこへ行けば良いのでしょうか。それぞれのお店に特徴があるので、自分の目的に合わせて使い分けるのがポイントです。
1. 試着ができるリサイクルショップや骨董市
初めて購入する場合は、実店舗やデパートの催事、骨董市などで実物を見て買うことを強くおすすめします。生地の質感、実際の透け具合、匂いなどは、画面越しでは分からないからです。
店員さんに相談しながら選べるのも実店舗の良さです。「このシミは落とせますか?」「この着物に合う帯はどれですか?」と質問できるので、安心して買い物ができますよ。
2. 種類やサイズが豊富なネット通販
自分のサイズが分かっていて、近くに良いお店がない場合はネット通販が便利です。検索機能を使えば、サイズや色、価格帯で絞り込んで効率よく探すことができます。
最近は、ダメージ箇所を細かく写真で掲載している親切なお店も増えています。返品ポリシーなどをしっかり確認した上で利用すれば、家にいながら全国の在庫から運命の一着を探せます。
手に入れた後の保管とお手入れ
せっかく気に入って手に入れた絽の着物ですから、長く大切に着たいですよね。夏着物は汗をたくさん吸っているため、脱いだ後のケアが寿命を大きく左右します。
1. 着用後の汗抜きと陰干し
着物を脱いだら、すぐに畳まずに和装ハンガーに掛けて陰干しをします。直射日光は色褪せの原因になるので厳禁です。一晩ほど風を通して、体温と湿気を完全に飛ばしましょう。
- 着物ハンガーに掛ける
- 直射日光を避ける
- 一晩風を通す
もし汗をたくさんかいた場合は、固く絞った濡れタオルで汗を含んだ部分(脇や帯下など)をトントンと叩き、その後に乾いたタオルで水分を取る「汗抜き」をしておくと安心です。
2. シーズン終わりのクリーニング
夏のシーズンが終わってタンスにしまう前には、必ず「丸洗い(クリーニング)」に出しましょう。目に見えない汗や皮脂汚れが残っていると、翌年出した時に黄ばみとなって現れることがあります。
特に正絹の着物は自宅で洗えませんので、専門店にお任せするのが一番です。「汗抜き」のオプションを付けることで、黄変のリスクを大幅に減らすことができますよ。
まとめ
夏着物の「絽」をリサイクルで探すことは、単に安く手に入れるだけでなく、今はもう作られないような素敵な色柄に出会える宝探しのような楽しさがあります。サイズ確認やダメージチェックなど、いくつかのポイントさえ押さえれば、誰でも失敗なくお気に入りの一枚を見つけられます。
少しのシミや使用感も、その着物が経てきた歴史だと思えば愛おしく感じられるかもしれません。今年の夏は、ぜひリサイクルの絽をワードローブに加えて、涼やかで粋な着物ライフを楽しんでみてくださいね。
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