20代既婚者の訪問着で帯は変わり結びでもいい?お太鼓以外のアレンジマナーを解説

「結婚して既婚者になったから、もう振袖のような華やかな帯結びはできないのかな」

そんなふうに少し寂しく感じている20代の方は多いのではないでしょうか?

確かに、訪問着には「二重太鼓」という基本のマナーがあります。しかし、実は友人の結婚式やパーティーなど、場面によっては20代既婚者ならではの「変わり結び」が許されることも増えてきました。

この記事では、マナーを守りつつ若々しさを演出できる、お太鼓以外のアレンジについてお話しします。

目次

20代既婚者でも訪問着の変わり結びはできる?

「既婚女性の訪問着=二重太鼓」というルールは、着物の世界では長く常識とされてきました。そのため、なんとなく「それ以外はダメ」と思い込んでいる方もいるかもしれません。

けれど、最近の結婚式やパーティーの事情は少し変わってきています。20代という若さであれば、必ずしも二重太鼓に固執する必要はないのです。

もちろん、どんな場面でも自由というわけではありません。まずは、今の時代の空気感と、どこまでが許されるのかというラインを知っておきましょう。

1. 「既婚者は二重太鼓」という定説と現在の傾向

昔ながらのしきたりでは、既婚女性は落ち着いた装いを求められました。そのため、喜びが重なるという意味を持つ「二重太鼓」が絶対の正解とされていたのです。

しかし現在は、着物をファッションとして楽しむ傾向が強まっています。特に20代の若い奥様が地味になりすぎるのは、かえって周りから見て寂しい印象を与えることもあります。

最近では、あまり派手すぎないアレンジであれば、マナー違反とは見なされないことがほとんどです。「若いうちは少し華やかに」という温かい目で見守られることが多いですよ。

2. 年齢や参加する立場によって変わる許容範囲

変わり結びをしていいかどうかは、実は「誰の結婚式か」によって大きく変わります。一番大切なのは、主催者との関係性です。

自分の立場を整理しておくと、当日の装いで失敗することがありません。以下の表で、関係性と推奨される帯結びの目安を確認してみましょう。

関係性推奨される帯結び雰囲気
親族(姉妹・姪など)二重太鼓基本に忠実で格式高い装い
親しい友人変わり結び(控えめ)華やかさとお祝いの気持ち
職場の関係者二重太鼓 または お太鼓系アレンジきちんと感を優先
自分のパーティー変わり結び(自由)自分らしさを表現

親族の式ではホスト側になるため、基本を守るのが無難です。一方で、友人の式であればゲストとして華を添える意味でも、アレンジを楽しむ余裕があります。

3. 「変わり結び」を取り入れるメリット

せっかくの晴れ舞台、後ろ姿も美しく見せたいですよね。変わり結びを取り入れることには、単なるおしゃれ以上の良さがあります。

  • 若々しさの演出
  • 写真映え
  • お祝いの気持ちの表現

特に20代は、まだ大人の落ち着きと少女のような愛らしさが同居する時期です。少しふっくらとした帯結びをすることで、その年齢ならではの魅力を引き立てることができます。

訪問着における帯結びのマナーと基本

アレンジを楽しむ前に、まずは「なぜ二重太鼓が基本なのか」を知っておくことが大切です。基本を知った上で崩すのと、知らずに崩すのとでは、着こなしの品格が変わってきます。

マナーの理由を理解しておけば、いざという時に自信を持って帯結びを選べるようになりますよ。

1. 最も格式高い「二重太鼓」が選ばれる理由

二重太鼓には、「良いことが重なりますように」という素敵な願いが込められています。この意味合いが、結婚式というお祝いの席にぴったりなのです。

また、形が整っていて崩れにくいという実用的なメリットもあります。背中が平らになるので、椅子に座った時も楽に過ごせます。

誰が見ても「きちんとしている」と感じさせる、最も安心感のある結び方だと言えるでしょう。

2. 親族の結婚式では基本を守るべきか

親族の結婚式では、あなたは「ゲストを迎える側」の立場になります。主役である新郎新婦を立てるために、服装は控えめにするのが礼儀です。

ここでは個性を出すよりも、伝統的なルールを守ることが相手への敬意になります。もし20代で少し華やかにしたい場合でも、帯結びは二重太鼓にして、帯締めなどの小物で若さを出すのが賢い選択です。

「親しき仲にも礼儀あり」という言葉通り、身内こそマナーを重視しましょう。

3. お太鼓以外の結び方がふさわしくない場面

結婚式以外でも訪問着を着る機会はありますが、変わり結びを避けたほうが良いシーンもあります。

  • お茶会(流派による)
  • 式典(入学式・卒業式)
  • 弔事(不祝儀)

特に入学式や卒業式は、子供が主役の厳粛な場です。母親があまりに華美な帯結びをしていると、少し浮いてしまう可能性があります。

場の空気を読んで「ここは引くべき」と判断できるのが、素敵な大人の女性ですね。

結婚式やパーティーで変わり結びが許されるケース

では、具体的にどんな時なら思いっきりおしゃれを楽しめるのでしょうか?

「ここなら大丈夫!」というOKラインを知っておくと、着物を着るのがもっと楽しくなります。20代既婚者の特権を活かせるシーンを見ていきましょう。

1. 友人の結婚披露宴や二次会に参加する場合

友人の結婚式は、新郎新婦も「ゲストに楽しんでほしい」「華やかにしてほしい」と願っていることが多いものです。

会場がホテルやゲストハウスなどの洋風な場所であれば、モダンな変わり結びがとてもよく映えます。着物の柄に合わせて、少し遊び心のある結び方をリクエストしてみてはいかがでしょうか。

「着物で来てくれてありがとう!」と喜ばれること間違いなしです。

2. カジュアルなパーティーや食事会の場合

最近は、着物でホテルのランチ会や観劇に行く方も増えていますね。こうしたプライベートな集まりには、厳しいルールはありません。

むしろ、訪問着をファッションとして楽しむ絶好のチャンスです。

季節のイベントやクリスマスパーティーなどでは、あえてルールを外した個性的な結び方にも挑戦できます。

3. 自分自身が主役に近い場面での装い

自分が表彰される式典や、ピアノの発表会などでステージに立つ場合も、変わり結びがおすすめです。

後ろ姿を見られる機会が多いなら、帯結び自体をアクセサリーのように見せることができます。

また、お子様の七五三で写真撮影をする際も、スタジオ内であれば華やかな結び方をして、思い出に残すのも素敵ですね。

20代既婚者におすすめしたい上品な変わり結びの種類

「変わり結び」といっても、振袖のような大きな羽を作るものばかりではありません。訪問着の上品さを損なわず、かつ20代らしい可愛らしさを出せる結び方があります。

美容師さんや着付け師さんにオーダーする際の参考にしてみてください。

1. 扇のような形を作る末広系の結び方

「末広太鼓」や「扇太鼓」と呼ばれる結び方は、とても縁起が良いとされています。

お太鼓の上部が扇のように広がっているデザインです。基本のお太鼓の形を残しているので、目上の方からの印象も悪くありません。

落ち着きと華やかさのバランスが絶妙で、20代の既婚女性に一番おすすめしたいスタイルです。

2. 伝統的ながら華やかなふくら雀の可否

「ふくら雀」は、ふっくらとした雀の姿を模した愛らしい結び方です。本来は振袖に合わせることが多いのですが、アレンジ次第で訪問着にも合わせられます。

ただし、羽を大きくしすぎると子供っぽく見えてしまいます。

羽を少し小さめに作り、垂れの部分を長めにとることで、大人っぽい「変形ふくら雀」にしてもらうのがポイントです。皇室の方々もお召しになるような、気品あるスタイルを目指しましょう。

3. 落ち着いた雰囲気を出せる文庫系の結び方

文庫結びというと浴衣のイメージがあるかもしれませんが、格調高い「万寿文庫」などは訪問着にも合います。

帯の端を垂らすことで、しっとりとした女性らしさを演出できます。

背中の高い位置でリボンを作るのではなく、少し低めの位置で結ぶのがコツです。こうすると、可愛らしさの中に大人の余裕が生まれます。

お太鼓ベースで作る控えめなアレンジ

「変わり結びをしてみたいけれど、派手になりすぎるのは怖い」

そんな方は、基本の二重太鼓をベースにした「プチアレンジ」から始めてみるのはいかがでしょうか。遠目には普通のお太鼓に見えるけれど、近づくと凝っている。そんな通好みな結び方です。

1. たれ先にひだを作るシンプルな変化

お太鼓の下の部分(たれ先)を真っ直ぐにせず、少しタックを寄せたり、波打つようなひだを作ったりする方法です。

  • 波ひだ
  • 屏風ひだ
  • 箱ひだ

歩くたびにひだが揺れて、とても優雅に見えます。派手な羽を作らなくても、これだけで十分「よそ行き感」が出ますよ。

2. 羽を少しだけ重ねて立体感を出す方法

お太鼓の山(上の部分)に、小さな羽を一枚乗せるようなアレンジです。

通常の二重太鼓よりも背中に立体感が出るので、スタイルが良く見える効果もあります。

帯の柄が良い位置に来るように調整できるので、お気に入りの帯の魅力を最大限に引き出せます。

3. アレンジを加えてもマナー違反にならないライン

あくまで「四角いお太鼓の形」を崩しすぎないことがポイントです。

シルエットが縦長になりすぎたり、左右に大きく広がりすぎたりすると、訪問着の柄とのバランスが悪くなります。

「基本の形+ワンポイント」くらいのさじ加減が、既婚女性の知的な美しさを際立たせます。

振袖のような派手さを避けるためのポイント

20代のうちは、数年前まで着ていた振袖の感覚が残っているかもしれません。しかし、訪問着で振袖と同じような帯結びをしてしまうと、「若作り」に見えてしまう危険があります。

訪問着にふさわしい、大人の品格を守るための注意点を見ておきましょう。

1. 高い位置での結びすぎに注意する

帯の位置が高いと、若々しく活発な印象になります。振袖の時はそれで良かったのですが、既婚者の訪問着では少し落ち着きが求められます。

帯山(帯の上のライン)を、少しだけ下げて結んでもらうようにしましょう。

これだけで、首元がすっきりと見え、大人の色気が漂う着姿になります。

2. 左右非対称のアシンメトリーなデザインの効果

左右対称(シンメトリー)のリボン結びなどは、どうしても幼く見えがちです。

そこでおすすめなのが、左右非対称(アシンメトリー)なデザインです。片方だけ羽を長くしたり、斜めにラインを入れたりすることで、洗練されたモダンな印象になります。

可愛いよりも「カッコいい」「おしゃれ」と言われるようなスタイルを目指してみましょう。

3. 背中全体を覆うような大きな飾りを避ける理由

振袖用の帯結びは、背中全体を覆うような豪華なものが多いですよね。しかし、訪問着の主役はあくまで着物の柄です。

帯が大きすぎると、せっかくの訪問着の肩や背中の柄が隠れてしまったり、喧嘩してしまったりします。

着物と帯がお互いを引き立て合うような、程よいボリューム感を意識することが大切です。

帯締めや帯揚げで華やかさを出す工夫

帯の形を変えるだけがアレンジではありません。むしろ、帯結びはシンプルにしておいて、小物使いで20代らしさを出すほうが、おしゃれ上級者に見えることもあります。

小さな面積ですが、意外と視線が集まるポイントですよ。

1. 帯結びはシンプルにして小物で遊ぶ選択

帯は正統派の二重太鼓にして、その分、帯締めや帯揚げに鮮やかな色を持ってくるという方法です。

例えば、着物の柄の一色を取って、少し明るめのトーンを小物に使ってみてください。

全体の統一感を保ちつつ、パッと華やかな印象を与えることができます。

2. 祝儀の席にふさわしい帯締めの飾り結び

帯締めは、ただ「本結び」をするだけではありません。お祝いの席にふさわしい飾り結びがたくさんあります。

  • 桜などの花の形
  • 寿の字をイメージした形
  • ハートやクローバーの形

帯の中央でこのような飾りが結ばれていると、まるで宝石のブローチをつけているようです。着付け師さんに「帯締めを可愛く結んでほしい」とリクエストしてみましょう。

3. 帯揚げを少しふっくら見せる若々しい着こなし

帯揚げの出し方にも年齢が出ます。年配の方はあまり見せないように深くしまいますが、20代なら少しふっくらと見せても素敵です。

「いりく」という結び方が基本ですが、少しボリュームを出してリボンのように見せる方法もあります。

胸元にふんわりとした柔らかさがあると、顔まわりも明るく優しい印象になりますよ。

美しい変わり結びを叶えるための袋帯の条件

「どんな帯でも変わり結びができるの?」というと、実はそうではありません。帯の長さや固さによっては、希望のアレンジができないこともあります。

手持ちの帯がアレンジに向いているかどうか、事前にチェックしておくと安心です。

1. アレンジに向いている帯の長さと固さ

複雑なひだを作るには、ある程度の長さが必要です。一般的に440cm以上の長さがある「六通(ろくつう)」や「全通(ぜんつう)」の帯が扱いやすいと言われています。

また、帯の固さも重要です。

昔の帯のようにガチガチに固いものや、逆にペラペラすぎるものは、ひだが綺麗に出ません。程よい張りとしなやかさがある帯がベストです。

2. 柄の出方を計算した帯選びの大切さ

変わり結びをすると、帯の裏側が見えることがあります。裏が無地ではなく、表と同じような柄が入っている帯だと、どこから見ても美しく仕上がります。

逆にお太鼓の部分にしか柄がない「お太鼓柄(ポイント柄)」の帯は、アレンジが非常に難しいです。

柄が出ない部分が背中に来てしまう可能性があるので、変わり結びをしたい時は避けたほうが無難でしょう。

3. 手持ちの帯が短い場合の対処法

「気に入っている帯だけど、少し短いかも…」という場合でも、諦めるのは早いです。

「三重仮紐(さんじゅうかりひも)」という便利なゴム紐を使えば、短い帯でも華やかな羽を作ることができます。

着付けを依頼する際に「帯が短いかもしれないのですが」と相談し、このゴム紐を持参すれば、プロが上手にアレンジしてくれるはずです。

着付け師にイメージを伝えるためのコツ

当日、美容室で「おまかせで」と言ってしまうと、無難な二重太鼓にされてしまうことが多いです。かといって、言葉だけでイメージを伝えるのは難しいですよね。

理想のスタイルに仕上げてもらうための、コミュニケーションのコツをお伝えします。

1. 写真を見せて「華やか」の度合いを共有する

「少し華やかに」という言葉の捉え方は、人によって違います。あなたが思う「少し」と、着付け師さんが思う「少し」にはズレがあるかもしれません。

InstagramやPinterestなどで、好みの帯結びの画像を探して保存しておきましょう。

「こんな雰囲気の、高すぎない位置でのアレンジが好きです」と写真を見せれば、一瞬でイメージが伝わります。

2. 参列する式の雰囲気や会場の格式を伝える

着付け師さんは、TPOをとても気にします。あなたが恥をかかないようにと考えてくれているからです。

  • 友人の結婚式であること
  • 会場がカジュアルなレストランであること
  • 新郎新婦との関係性

こういった情報を具体的に伝えることで、「それなら、ここまで崩しても大丈夫ですね」と、プロ目線での提案をしてくれます。

3. 長時間座ることも考慮した結び方の相談

披露宴は2〜3時間、椅子に座りっぱなしになります。背中にボリュームがありすぎると、背もたれに寄りかかれず、疲れてしまうかもしれません。

「食事をするので、背中はあまり厚みを出さないでほしいです」と伝えてみてください。

ぺたんこになりすぎず、でも邪魔にならない、機能的で美しい結び方を考えてくれるはずです。

まとめ

訪問着の帯結びについて、20代既婚者の視点から解説してきました。

昔ながらの「既婚者は二重太鼓のみ」というルールは、今では絶対的なものではありません。特に友人の結婚式やパーティーでは、その場の空気を華やかにするようなアレンジが歓迎されています。

大切なのは、「誰のために装うか」という視点を忘れないことです。

主役を立てつつ、20代らしい若々しさと品格を両立させる。そんな賢いおしゃれを楽しめるようになれば、着物はもっと身近で楽しいものになるはずです。

ぜひ、次の機会には、あなたらしい素敵な帯結びで出かけてみてくださいね。

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