夏祭りや花火大会など、浴衣を着る特別なイベントが近づいてきましたね。せっかく素敵な浴衣を選んだのに、ヘアセットで悩んでしまうことはありませんか。美容院に行くほどではないけれど、自分でやるとどうしても生活感が出てしまうのが「ひっつめ髪」の悩みです。
そこで今回は、不器用さんでも簡単にできる、浴衣に似合う「こなれポニーテール」の作り方を解説します。ただ結ぶだけではなく、ちょっとした一手間でプロのような仕上がりに変わるコツをお伝えしましょう。これを読めば、今年の夏は後ろ姿にも自信を持って、浴衣でのお出かけを楽しめるようになりますよ。
浴衣姿が残念に見えるひっつめ髪の共通点
街中で浴衣姿の方を見ていると、髪型だけで「おしい!」と感じてしまうことがあります。着付けは綺麗なのに、ヘアスタイルが部屋着のときと同じような状態だと、どうしても全体のバランスが崩れてしまうのです。
実は、残念に見えてしまうポニーテールには、いくつかの共通点があります。まずは自分がその落とし穴にはまっていないか、一緒にチェックしてみましょう。
1. 生活感が出てしまうシルエットの違い
ただゴムで結んだだけの髪は、頭の形がそのまま出てしまい、ペタッとした印象になりがちです。特に日本人は後頭部が平らな方が多いため、補正なしで結ぶと立体感が生まれません。
おしゃれに見えるポニーテールには、必ず「空気感」と「立体感」があります。頭の丸みを意識せずにギュッと結んでしまうことが、いわゆる「ひっつめ髪」に見えてしまう最大の原因なのです。
2. 髪の艶とスタイリング剤不足の影響
浴衣は生地に張りや艶があるため、髪がパサついていると、そこだけ浮いて見えてしまいます。何もつけずに結んだ髪は、アホ毛が目立ちやすく、疲れた印象を与えかねません。
特に屋外のイベントでは、風や湿気の影響を大きく受けます。スタイリング剤を使っていない素髪の状態だと、時間の経過とともにボサボサになり、清潔感が失われてしまうのです。
3. 襟足や顔まわりの処理の甘さ
ポニーテールをしたときに一番目につくのが、実は「うなじ」と「顔まわり」です。ここから落ちる毛が計算されていないと、ただ崩れてしまっただけのだらしない髪に見えます。
逆に言えば、この細部の処理さえ綺麗にできていれば、シンプルな一つ結びでも十分に洗練されて見えます。後れ毛を出すのか出さないのか、そのメリハリがない状態が一番危険なのです。
浴衣に似合うこなれポニーテールとは?
では、私たちが目指すべき「こなれポニーテール」とは、具体的にどのようなものでしょうか。それは決して難しい技術を駆使したものではなく、ちょっとしたバランス感覚で成り立っています。
美容師さんが作るような素敵なヘアアレンジには、必ず「崩し」と「シルエット」の法則があります。この正体を知るだけで、毎日のヘアセットも見違えるように変わりますよ。
1. 程よいルーズ感を作る「崩し」の重要性
「こなれ感」の正体は、きっちりしすぎない余裕のあるルーズさにあります。結んだ後に毛束を少し引き出すことで、髪に陰影が生まれ、柔らかいニュアンスが出るのです。
ただし、ただ適当に緩めるだけではボサボサに見えてしまいます。ベースはしっかりとゴムで固定しつつ、表面の髪だけを動かすという「締めるところは締める」メリハリが大切です。
2. 360度どこから見ても綺麗な頭の形
理想的なポニーテールは、横から見たときに後頭部がふんわりと丸くカーブしています。この丸みがあることで、首が細く長く見え、全体のスタイルアップにもつながるのです。
鏡で正面だけを見てセットしていると、意外と横顔や後ろ姿のチェックがおろそかになりがちです。浴衣姿は斜め後ろから見られることも多いので、全方位のシルエットを意識しましょう。
3. 和装のうなじを美しく見せるバランス
浴衣や着物は、衣紋(えもん)を抜いてうなじを見せる着方をします。そのため、ポニーテールで首筋をすっきりと見せることは、和装の美しさを引き立てる理にかなった選択なのです。
髪が襟にかからない絶妙な高さで結ぶことで、色っぽさと清潔感が同居します。和装ならではの「うなじの美しさ」を最大限に活かせるのが、このスタイルの大きな魅力ですね。
アレンジ前に準備すべきスタイリング剤と道具
料理と同じで、ヘアアレンジも下準備と道具選びが仕上がりを左右します。手元にあるものだけで済ませようとせず、最低限必要なアイテムを揃えておくのが成功への近道です。
特に夏場のヘアアレンジは崩れやすいため、キープ力のあるアイテム選びが重要になります。ドラッグストアで手に入るもので十分ですので、以下のものを準備しておきましょう。
- ヘアオイル
- ヘアワックス(バームタイプ)
- シリコンゴム
- アメピン・Uピン
- ヘアスプレー
- コテ(ヘアアイロン)
1. 扱いやすい髪を作るワックスやオイルの種類
アレンジの前には、必ずスタイリング剤を髪全体に馴染ませます。サラサラの髪のままだと、まとまりが悪く、引き出した毛束もすぐに戻ってしまうからです。
おすすめは、セット力のあるバームタイプのワックスとヘアオイルを混ぜて使うことです。これにより、濡れたような艶感と、束感をキープする粘り気の両方を手に入れることができます。
2. 結び目が緩まないシリコンゴムの選び方
太いゴム一本で結ぶと、時間が経つにつれて重みで下がってきたり、飾りが付けにくかったりします。そこでおすすめなのが、絡まりにくく目立ちにくい「シリコンゴム」です。
百円ショップのものでも構いませんが、できれば美容雑貨店で売られている強度の高いものを選んでください。すぐに切れてしまわないよう、2本重ねて使うのも裏技の一つですよ。
3. 仕上げに必要なピンとスプレーの役割
最後の仕上げに使うピンとスプレーは、アレンジの寿命を延ばす守護神です。アメピンは飛び出してきた毛を抑えるのに、Uピンはふんわり感を潰さずに留めるのに適しています。
スプレーは、ガチガチに固めるハードタイプよりも、少し手直しができる程度のものが扱いやすいです。風が強い日や長時間のお出かけの場合は、部分的にハードスプレーを使うなど使い分けましょう。
結ぶだけでおしゃれに見えるベース作りの手順
道具が揃ったら、いよいよ実践に入りますが、いきなりゴムで結ぼうとしてはいけません。おしゃれな人は、結ぶ前の「ベース作り」に時間をかけていることをご存知でしょうか。
この工程を挟むだけで、ただの一つ結びが一気に垢抜けた印象に変わります。少し手間に感じるかもしれませんが、ここが一番の頑張りどころですよ。
1. 全体を軽く巻いて動きをつける方法
直毛の方は特に、コテを使って髪全体をランダムに巻いておきましょう。綺麗に巻く必要はなく、毛先にワンカール、表面に波ウェーブをつける程度で十分です。
髪にカールがついていると、結んだ時の毛先に動きが出て華やかになります。また、髪同士が絡み合いやすくなるため、崩れにくい土台を作ることにもつながるのです。
2. スタイリング剤を馴染ませる正しい順番
スタイリング剤は、表面だけでなく内側にもしっかりと揉み込むことが大切です。手にワックスを広げたら、まずは髪の内側から手ぐしを通し、最後に表面や前髪につけましょう。
襟足や顔まわりの生え際にも薄くつけておくと、後で細かい毛を引き出すときに綺麗に束感が出ます。つけムラがないように、全体にしっとり感が出るまで馴染ませてくださいね。
3. 表面の束感を出す事前のテクニック
結ぶ前に、手ぐしでざっくりと髪を後ろに集めます。このとき、ブラシできっちりとかしすぎると、せっかくの「こなれ感」が消えてしまうので注意が必要です。
指の跡が少し残るくらいの方が、ラフで自然な仕上がりになります。トップの髪を軽く持ち上げながら、空気を含ませるようにまとめるのがポイントです。
印象を左右する結ぶ高さの選び方
ポニーテールは、結ぶ位置によって相手に与える印象がガラリと変わります。浴衣の柄やなりたい雰囲気に合わせて、ベストな高さを選んでみましょう。
| 結ぶ位置 | 与える印象 | おすすめの浴衣 |
| 高め | 元気、若々しい、アクティブ | ポップな柄、明るい色 |
| 中間(耳の高さ) | 自然体、親しみやすい | 定番の花柄、パステルカラー |
| 低め | 大人っぽい、落ち着き、色っぽい | 古典柄、紺や黒などのシックな色 |
1. 元気で若々しい印象の「高め位置」
耳より高い位置で結ぶハイポニーテールは、うなじがすっきりと見え、若々しく元気な印象を与えます。大きな花火大会や、友人とワイワイ楽しむ場面にぴったりです。
視線が上にいくので、スタイルアップ効果も期待できます。ポップな色柄の浴衣や、兵児帯を使った可愛らしい着こなしには、この高さがよく似合いますよ。
2. 大人っぽく艶やかな印象の「低め位置」
耳より下の位置で結ぶローポニーテールは、しっとりとした大人の女性の雰囲気を演出します。落ち着いたデートや、しっとりとしたお祭りの夜におすすめです。
低めの位置は髪の乱れも目立ちにくく、長時間のお出かけでも安心感があります。古典柄やシックな色味の浴衣を着る場合は、この位置で上品にまとめましょう。
3. 自分の顔の形に合ったベストな位置
顔の形によっても、似合う高さは微妙に異なります。例えば、丸顔さんは少し高めに結んで縦のラインを強調すると、すっきりとした印象になります。
面長さんの場合は、低めの位置で横にボリュームを出すように崩すとバランスが良くなります。鏡の前で髪を持ち上げながら、自分の顔が一番綺麗に見える位置を探してみてください。
絶妙なゆるさを出すトップの引き出し方
ここが一番の難関であり、最大のポイントとなる「ほぐし」の作業です。結んだ後に髪を引き出すことで、絶壁をカバーし、柔らかい質感を作っていきましょう。
コツは「少量ずつ」引き出すことです。一気にたくさん引き出すと、ただ緩んでしまっただけに見えるので、繊細な作業を心がけてください。
1. 爪先を使って細く引き出すコツ
髪を引き出すときは、指の腹ではなく、爪の先で数本の髪をつまむようなイメージで行います。結び目を片手で押さえながら、もう片方の手で放射状に引き出していきましょう。
間隔を空けながら、3mm〜5mm程度の束を引き出すと、綺麗な筋状の凹凸ができます。この「筋」が照明や日光に当たると、立体的な艶として輝くのです。
2. 横顔美人を作る後頭部のボリューム調整
特に意識して引き出したいのが、後頭部の一番出っ張っている部分です。ここをしっかりと引き出して高さを出すことで、横顔のシルエットが格段に美しくなります。
日本人の頭の形を補正するために、トップと後頭部は大胆に、サイドは控えめに引き出すのが黄金バランスです。合わせ鏡を使って、横からの膨らみを確認しながら調整してください。
3. ゴム周りを自然に隠すひと手間
ゴムが見えたままだと、どうしても手抜き感が出てしまいます。結んだ毛束の中から少量の髪を取り、ゴムに巻き付けてピンで留める「ゴム隠し」を行いましょう。
または、飾り付きのゴムやヘアクリップを使って隠すのも簡単でおすすめです。このひと手間を加えるだけで、後ろ姿の完成度がグッと高まりますよ。
艶っぽさを演出する後れ毛の残し方
浴衣姿の色気を決定づけるのが「後れ毛」です。出しすぎると「お疲れヘア」になりますが、計算された後れ毛は、女性らしい柔らかさとアンニュイな雰囲気を醸し出します。
出す場所と量を間違えなければ、誰でも今っぽい抜け感を作ることができます。鏡を見ながら、以下の3点を意識して引き出してみましょう。
- こめかみ
- もみあげ
- 襟足(みつえり)
1. こめかみ・もみあげ・襟足の黄金比
後れ毛を出す基本的な場所は「こめかみ」「もみあげ」「襟足の端」の3点です。これらを全て出すのではなく、自分の顔まわりのバランスを見て調整します。
量は「触覚」のようにならないよう、透け感があるくらいの細い束にするのが鉄則です。顔の輪郭をふんわりとカバーしてくれるので、小顔効果も抜群ですよ。
2. 老けて見えない後れ毛の巻き加減
引き出した後れ毛は、そのまま放置せずに必ずコテで巻きましょう。直毛のままだと生活感が出てしまいますが、S字のカールをつけることで一気におしゃれになります。
コテで巻いた後は、すぐに手でほぐして熱を冷ますと、自然なウェーブになります。強すぎるカールは古臭く見えるので、あくまで「ゆるふわ」を目指してください。
3. 汗で崩れないためのバームの付け方
夏場は汗で後れ毛が肌に張り付いたり、広がったりしがちです。これを防ぐために、仕上げにバームやオイルを指先に少しつけ、後れ毛をつまむようにして馴染ませます。
こうすることで束感が強調され、汗をかいても綺麗なカールを維持できます。パサつきを抑え、濡れたような質感にすることが、色っぽさを出す秘訣です。
くるりんぱを加えた応用アレンジのやり方
基本のポニーテールに慣れてきたら、「くるりんぱ」を取り入れたアレンジにも挑戦してみましょう。ゴム一つでできるのに、まるで編み込みをしたような凝ったデザインに見えます。
不器用さんでも失敗しにくいテクニックなので、時間があるときにぜひ練習してみてください。浴衣の華やかさに負けない、立体的なヘアスタイルが作れますよ。
1. 立体感が増すくるりんぱの基本動作
髪を緩めに結び、ゴムの上の髪を半分に割って穴を作ります。その穴に毛先を上から通して下に引っ張るだけで、ねじれたような表情が生まれます。
くるりんぱをした後は、必ずねじれた部分の髪を引き出してほぐしてください。この一手間で、結び目がキュッと締まり、ゴムも見えにくくなります。
2. ゴム隠しが不要になるねじりテクニック
サイドの髪を残してポニーテールを作り、残しておいたサイドの髪をねじりながらゴムの上に巻き付ける方法もあります。これならゴム隠しの手間が省け、横顔にも表情がつきます。
ねじった髪も同様に指で少し引き出すと、編み込みのような質感になります。特別な技術がなくても、「手が込んでいる風」に見せることができる便利な技です。
3. ミディアムヘアでも可能な工夫
肩につくくらいのミディアムヘアでも、ハーフアップのくるりんぱと、残りの髪をまとめる2段構えにすることで、崩れにくいアップスタイル風に見せられます。
短い髪がパラパラ落ちてくるのが心配な場合は、可愛いクリップや飾りピンを多めに使って留めてしまいましょう。それがかえって、おしゃれなアクセントになりますよ。
和の雰囲気を高める髪飾りの選び方
最後に、全体の印象を仕上げる髪飾りを選びます。浴衣には普段使いのシュシュやバレッタではなく、やはり和のテイストを含んだ飾りがよく似合います。
アクセサリー選びもコーディネートの一部です。浴衣の色や柄に合わせて、トータルバランスを整えていきましょう。
1. 涼しげに見えるかんざしの挿し位置
一本挿しのかんざしは、大人の女性ならではの粋なアイテムです。結び目の斜め上から、少し角度をつけて挿すと、こなれた印象になります。
あまり垂直に挿しすぎると不自然に見えるので、頭の丸みに沿うように挿すのがコツです。ガラス玉や透かし彫りのデザインなど、涼しさを感じる素材が夏にはぴったりですね。
2. 華やかさをプラスする造花やリボンの活用
華やかに仕上げたい場合は、大きめの造花(マムやダリアなど)を使うと顔まわりが明るくなります。最近では、浴衣の色に合わせたドライフラワーの髪飾りも人気です。
帯の色とリンクさせたリボンを一緒に編み込んだり、結び目に垂らしたりするのも可愛らしいですね。素材感を変えるだけで、モダンな雰囲気も演出できます。
3. 浴衣の柄や色に合わせたコーディネート
髪飾りを選ぶときは、浴衣の柄に使われている一色を拾うと統一感が出ます。例えば、紺地にピンクの花火柄なら、ピンクの髪飾りを選ぶとしっくりきます。
逆に、帯の色と反対色(補色)を選んでアクセントにするのも上級テクニックです。全身鏡で見たときに、頭だけが浮いていないか確認してみてください。
長時間キープするための仕上げのポイント
お祭りや花火大会は人混みの中を歩くことも多く、意外とハードな環境です。家を出た瞬間の美しさを帰宅までキープするために、最後の仕上げを丁寧に行いましょう。
崩れてしまってから直すのは大変ですが、崩れないように予防することは簡単です。このひと手間で、イベントを心置きなく楽しむことができます。
1. アホ毛を抑えるスティック型ワックスの活用
トップからピンピンと飛び出す短い毛(アホ毛)は、一気に生活感を出してしまいます。マスカラのような形状の「スティック型ワックス」を使って、撫で付けるように抑えましょう。
手を汚さずに気になった瞬間に直せるので、ポーチに一本入れておくと非常に便利です。前髪の束感を整えるのにも使えますよ。
2. 固めすぎずにキープするスプレーの距離感
ヘアスプレーを使うときは、髪から20cm〜30cmほど離して全体にふんわりとかけます。近すぎると一箇所に液が固まり、不自然なテカりが出てしまうので注意してください。
「ふんわり感」をキープしたいトップ部分は、指で髪を持ち上げながら内側にスプレーすると、ボリュームが長持ちします。
3. 外出先での簡単な手直し方法
もし外出先で髪が崩れてきてしまったら、慌てずに手直ししましょう。緩んできたゴムは、一度毛束を左右に引っ張って締め直すだけで安定します。
落ちてきた後れ毛が邪魔な場合は、ねじってアメピンで留めてしまえば、それがまた新しいアレンジのように見えます。小さな鏡と予備のピン数本は、必ず持ち歩くようにしましょう。
おわりに
浴衣に似合う「こなれポニーテール」は、完璧にきっちり作ることよりも、全体のバランスと質感を楽しむことが大切です。最初は難しく感じる「崩し」や「後れ毛」のテクニックも、何度か練習すればすぐに感覚を掴めるようになりますよ。
プロのような仕上がりを目指して、ぜひ本番前に一度リハーサルをしてみてください。「私にもできた!」という自信が、浴衣姿をより一層魅力的に見せてくれるはずです。今年の夏は、素敵なヘアアレンジと一緒に、最高の思い出を作ってくださいね。
