レトロで可愛い雰囲気の写真がSNSで流れてきて、思わず手を止めたことはありませんか?その正体こそが、今若者を中心に再びブームになっている「大正ロマン風に着物を着こなす」スタイルです。現代の洋服にはない大胆な色使いや、自由な組み合わせが魅力ですよね。
この記事では、初めての方でも失敗しない「大正ロマン風に着物を着こなす」ためのポイントを徹底解説します。難しいルールにとらわれる必要はありません。「これ可愛い!」という直感を大切にしながら、あなただけのコーディネートを見つけていきましょう。
大正ロマン風の着物とは?
「大正ロマン」と聞くと、なんとなく古風なイメージを持つかもしれません。しかし実際は、西洋の文化が日本に流れ込んできた時代の、とてもエネルギッシュで自由なスタイルのことを指します。
当時の女性たちは、伝統的な和装に洋装の要素をミックスさせて、新しいファッションを楽しんでいました。現代でいう「和洋折衷コーデ」のルーツとも言えるでしょう。
1. 和と洋が混ざり合った独特のデザイン
このスタイルの最大の特徴は、和風の着物に西洋のモチーフやアイテムを大胆に合わせることです。着物なのにどこかドレスのような華やかさがあります。
たとえば、着物の柄にアール・ヌーヴォー調の植物や、トランプなどの洋風な柄が描かれていることも珍しくありません。当時の人々にとって、西洋文化は最先端のトレンドだったのです。
2. 現代でも愛されるレトロで自由なスタイル
なぜ今、令和の時代に大正ロマンが愛されているのでしょうか?それは、形式ばった着物のルールから解放された「自由さ」があるからです。
- 大正ロマンが人気の理由
- 個性を出しやすい
- 洋服感覚で楽しめる
- 写真映えが抜群
成人式や卒業式で「周りと被りたくない」と考える人にとって、これほどピッタリなスタイルはありません。自分だけの物語を纏うような感覚を楽しめるのです。
レトロに見せる色合わせのポイント
大正ロマン風の着こなしで一番重要なのが「色合わせ」です。普段の洋服では「派手すぎるかな?」と思うくらいの配色が、着物だと不思議と可愛くまとまります。
ここでは、一気にレトロな雰囲気を出すための色の選び方を紹介します。基本のルールさえ知っていれば、センスに自信がなくても大丈夫です。
1. 反対色を組み合わせる大胆な配色
もっとも簡単なテクニックは、色相環で反対に位置する色(補色)を組み合わせることです。お互いの色を引き立て合い、パッと目を引く鮮烈な印象になります。
- おすすめの反対色コンビ
- 赤色 × 緑色
- 紫色 × 黄色
- 青色 × オレンジ色
たとえば、紫色の着物に黄色の帯を合わせると、一気に大正時代の女学生のようなハイカラな雰囲気が出ます。「ちょっと強すぎるかな」と思うくらいが、このスタイルでは正解なのです。
2. 鮮やかな原色が与える強いインパクト
くすんだ色(ニュアンスカラー)が流行っていますが、大正ロマン風を目指すなら断然「原色」です。ハッキリとした色を選ぶことで、当時の力強い美意識を表現できます。
特に「赤」「紫」「黒」の3色は、大正ロマンを象徴するカラーです。これらの色をメインに持ってくるだけで、全体がグッと引き締まり、ドラマチックな印象になります。
3. 柄の色と小物の色をリンクさせる方法
「派手な色同士を合わせると、ごちゃごちゃしそうで不安」という方もいるでしょう。そんな時は、着物の柄に使われている一色を拾って、それを帯や小物の色にしてみてください。
| リンクさせる場所 | 色選びのコツ |
| 帯揚げ | 着物の柄で一番目立つ色を選ぶ |
| 帯締め | 柄の中の「締め色(濃い色)」を選ぶ |
| 半襟 | 着物の地色と同系色にする |
こうすることで、たくさんの色を使っていても全体に統一感が生まれます。計算された派手さは、とてもお洒落に見えるものです。
大正ロマンらしい柄の特徴
色が決まったら、次は「柄」に注目してみましょう。大正ロマンの着物は、柄の大きさやモチーフにも独特の特徴があります。
現代の着物にはない、大胆でユニークな柄を選ぶことが、レトロガールへの近道です。ここでは代表的な3つのパターンを紹介します。
1. 矢絣(やがすり)が持つハイカラな印象
矢絣は、矢羽を図案化した伝統的な柄ですが、大正時代には女学生の制服として大流行しました。「はいからさんが通る」の世界観そのものですね。
直線的なデザインは、キリッとした知的な印象を与えます。袴(はかま)と合わせるのが王道ですが、普通の着物として着ても、凛とした美しさが際立ちます。
2. 大きな花柄や幾何学模様のモダンさ
着物いっぱいに描かれた大きな花柄も、大正ロマンの特徴です。特に椿(ツバキ)や牡丹(ボタン)、薔薇(バラ)などが人気です。
- よく使われるモダンな柄
- 大きな椿の花
- ステンドグラス風の幾何学模様
- アール・デコ調の曲線
これらの柄は、遠くから見てもインパクト抜群です。写真に撮ったときに顔まわりが華やかになるので、観光地での記念撮影にもぴったりですよ。
3. ストライプやドットを取り入れる遊び心
和柄だけでなく、縞模様(ストライプ)や水玉(ドット)といった洋服のテキスタイルを取り入れるのも面白いですね。ポップで現代的な可愛らしさをプラスできます。
太めのストライプは縦のラインを強調してスタイル良く見せてくれます。ドット柄は少し子供っぽく見えることもありますが、黒ベースなどを選べば大人可愛く仕上がります。
顔まわりを華やかにする襟の選び方
着物の印象を大きく左右するのが、実は「襟元(えりもと)」です。顔に一番近い部分なので、ここに何を持ってくるかで写真写りが劇的に変わります。
白い半襟も素敵ですが、大正ロマン風ならもっと遊んでみましょう。顔まわりをデコレーションする感覚で選ぶのがポイントです。
1. 刺繍たっぷりの半襟で豪華に見せる
まずは、たっぷりと刺繍が施された半襟を試してみてください。梅や桜などの和花はもちろん、洋風のモチーフが入ったものも素敵です。
襟元にボリュームが出ると、顔が小さく見える効果も期待できます。着物がシンプルでも、半襟が豪華なら一気に華やかな印象になりますよ。
2. レースやフリルを重ねて洋風にする
もっと個性を出したいなら、レースやフリルのついた伊達襟(だてえり)を重ねてみましょう。洋服のブラウスを着ているような、不思議な可愛さが生まれます。
黒いレースならゴシックでミステリアスな雰囲気に、白いフリルならガーリーな雰囲気になります。首元のお洒落は、相手の視線を集める重要なポイントです。
足元で差をつける履物の合わせ方
「着物には草履(ぞうり)」という固定観念を捨てましょう。大正ロマン風の着こなしでは、足元にも洋風アイテムを取り入れるのが常識です。
特に歩きやすさを重視するなら、なおさら洋風の履物がおすすめです。慣れない草履で足を痛める心配も少なくなります。
1. 編み上げブーツを合わせる定番スタイル
大正ロマンといえば、やっぱり「編み上げブーツ」です。黒や焦げ茶の革ブーツを合わせるだけで、一気に当時の女学生のようなスタイルが完成します。
- ブーツを合わせるメリット
- 雨の日でも歩きやすい
- 足首が隠れて暖かい
- スタイルが良く見える
着物の丈を少し短めに着付けて、ブーツをしっかり見せるのがコツです。袴スタイルだけでなく、普通の着物に合わせても最高に可愛いですよ。
2. カラフルな足袋と草履の組み合わせ
もちろん、草履スタイルも素敵です。ただし、普通の白い足袋ではなく、柄入りの足袋や色足袋を選んでみてください。
別珍(ベッチン)素材の足袋などは、温かみがあってレトロな雰囲気にぴったりです。草履の鼻緒も、太めでふっくらしたものを選ぶと、昔ながらの可愛らしさが出ます。
雰囲気を盛り上げる小物の活用法
着物と帯が決まったら、最後の仕上げは小物です。洋服用のアクセサリーをそのまま流用できるのも、大正ロマン風の嬉しいところですね。
「ちょっとやりすぎかな?」と思うくらい盛ってしまった方が、この世界観にはマッチします。クローゼットに眠っているアイテムが大活躍するかもしれません。
1. 帽子やヘッドドレスで個性を出す
髪飾りの代わりに、帽子を被ってみましょう。ベレー帽なら知的で可愛らしく、カンカン帽なら夏らしい爽やかな印象になります。
レースのついたヘッドドレスや、大きなリボンも相性抜群です。着物の柄に使われている色と帽子の色を合わせると、全体がまとまりやすくなります。
2. 手袋やバッグを洋風アイテムにする
手元には、レースの手袋やベルベットの手袋をはめてみましょう。指先まで気を抜かないお洒落さが、洗練された印象を与えます。
バッグも和装用である必要はありません。革のショルダーバッグや、がま口のハンドバッグ、ビーズバッグなどがよく似合います。
3. アンティークな帯留めをアクセントにする
帯の中心にくる「帯留め」は、ジュエリーのような役割を果たします。アンティークショップで見つけたブローチを、帯留め金具を使ってリメイクするのもおすすめです。
- 人気の帯留めモチーフ
- パールや宝石風のもの
- 動物モチーフ(猫や兎)
- 時計や鍵などのモチーフ
帯締めの色とのコントラストを意識して選ぶと、小さな帯留めでもしっかりと存在感を放ちます。
着物に合わせる髪型とメイクの工夫
ファッションが決まったら、ヘアメイクもその雰囲気に寄せましょう。現代風のゆるふわヘアも可愛いですが、クラシックなスタイルに挑戦すると、より完成度が高まります。
美容室でオーダーする際も、「大正ロマン風にしたい」と伝えて画像を見せるとスムーズです。少し重めの質感を意識するのがポイントです。
1. 耳隠しやフィンガーウェーブのクラシック感
大正時代のモガ(モダンガール)たちの間で流行したのが「耳隠し」というスタイルです。サイドの髪にウェーブをつけて、耳を覆うようにまとめる髪型です。
前髪やサイドにうねりを作る「フィンガーウェーブ」を取り入れると、一気に女優のようなオーラが出ます。ジェルやスプレーで艶を出し、カチッと固めるのがコツです。
2. 真っ赤なリップと強めのアイメイク
メイクは、着物の強い色に負けないように、ハッキリとした色使いを意識します。特にリップは、深みのある赤色がマストアイテムです。
アイラインは少し跳ね上げて、キリッとした目元を作りましょう。チークは血色感を出す程度にふんわりと入れ、肌の白さを強調すると、人形のようなドールメイクになります。
季節やシーンに合わせた楽しみ方
大正ロマン風の着こなしは、特別な日だけでなく、ちょっとしたお出かけにも使えます。シーンに合わせてコーディネートの「重さ」を変えてみましょう。
ここでは、カジュアルに楽しむ場合と、フォーマルな場での取り入れ方の違いを紹介します。TPOに合わせつつ、自分らしさを出せると素敵ですね。
1. 街歩きで映えるカジュアルな装い
浅草や京都、川越などのレトロな街並みを散策するなら、動きやすさを重視したカジュアルコーデがおすすめです。ウールやポリエステルの着物なら、汚れを気にせず楽しめます。
- 街歩きコーデのポイント
- 履き慣れたブーツを選ぶ
- 帽子で日差し対策とお洒落を両立
- 斜めがけバッグで両手を空ける
カフェ巡りや美術館デートなど、普段のデートコースも着物を着るだけで特別な思い出になります。友達とテーマを決めて「双子コーデ」をするのも楽しいですよ。
2. 卒業式の袴スタイルでの取り入れ方
卒業式は、大正ロマン風コーデが最も輝く舞台です。「矢絣の着物 × 紺やエンジの袴」は、もはや鉄板の組み合わせと言えるでしょう。
周りと差をつけるなら、袴のリボン部分に大きめの飾りをつけたり、柄入りの半襟を目立たせたりするのがおすすめです。一生に一度の晴れ舞台、思いっきりハイカラに装ってください。
初心者が上手に着こなすためのコツ
ここまで読んで「やっぱり難しそう」と感じてしまった方もいるかもしれません。でも、最初から全身を完璧にする必要はないのです。
まずは手持ちの着物に、少しずつ要素を足していくことから始めましょう。失敗しないための小さなステップをお伝えします。
1. まずは小物を一点投入してみる
いきなり派手な着物を買うのは勇気がいりますよね。まずは、リサイクル着物や、お母様の着物をベースにして、小物だけを変えてみましょう。
たとえば、普通の着物にベレー帽を被るだけでも、雰囲気はガラリと変わります。あるいは、足元をブーツに変えるだけでも十分です。一点変えるだけで「あ、意外といけるかも」と思えるはずです。
2. 全体のバランスを見ながら足し算する
大正ロマン風は「足し算」のファッションですが、やみくもに足せば良いわけではありません。全身鏡を見て、色が偏りすぎていないか確認しましょう。
上半身に柄や色が集中しているなら、足元は黒いブーツで引き締める。逆に着物がシンプルなら、帯や小物で色をたくさん使う。このバランス感覚が、洗練された着こなしの鍵です。
まとめ
大正ロマン風の着物スタイルは、時代を超えて愛される「自由」と「個性」の象徴です。ルールに縛られず、あなたが「可愛い」と思うものを詰め込んで良いのです。
この記事で紹介したポイントを振り返ってみましょう。
- 反対色や原色を使って大胆に色合わせをする
- ブーツや帽子などの洋風アイテムをミックスする
- 半襟や帯留めなど、細部までこだわりを持つ
- メイクや髪型もクラシックな雰囲気に寄せる
- まずは小物ひとつから挑戦してみる
難しく考えず、まずは洋服を選ぶような感覚で、色や柄の組み合わせを楽しんでみてください。鏡の前に立ったとき、新しい自分に出会えるはずです。
次の休日は、大正ロマンな装いで、レトロな街へ出かけてみませんか?きっと、いつもとは違う景色が見えてくるはずですよ。
