絽や紗なら涼しい?真夏の結婚式での着物マナーと我慢しない暑さ対策を徹底解説

「7月や8月の結婚式に着物で参列したいけれど、暑さで倒れたりしないかな?」と不安に思っていませんか?夏に着物を着ることは、マナーだけでなく、ご自身の体調管理も非常に大切なポイントになります。

実は、夏の着物である「絽(ろ)」や「紗(しゃ)」は、見た目が涼しいだけでなく、風を通す工夫が詰まった素晴らしい伝統衣装です。この記事では、真夏でも涼しい顔をして参列するための、着物選びのルールと、今すぐ実践できる暑さ対策を詳しくご紹介します。

目次

絽(ろ)と紗(しゃ)の違いと夏に着るべき理由

夏用の着物には大きく分けて「絽」と「紗」がありますが、結婚式のようなフォーマルな場ではどちらを選べば良いのでしょうか。それぞれの特徴を知ることで、自信を持って当日を迎えることができます。

1. 絽(ろ)の特徴と透け感の仕組み

絽は、生地に定期的に隙間(絽目)を作って織られているため、通気性が良く涼しいのが特徴です。

この「隙間」があることで熱がこもりにくく、見た目にも縞模様のような透け感が生まれます。フォーマルな場では最も一般的な夏着物とされており、結婚式に参列する場合は、この「絽」の訪問着や留袖を選ぶのが基本です。

2. 紗(しゃ)の特徴と着ることができる場面

紗は、全体的に粗く織られており、絽よりもさらに透け感が強く、非常に通気性が良い素材です。

しかし、その透け感の強さから、一般的にはカジュアルな街着やお洒落着として扱われることが多いです。結婚式のような式典では、格が下がってしまうことがあるため、ゲストとしての参列にはあまり向きません。

絽と紗の比較

特徴絽(ろ)紗(しゃ)
主な着用時期7月・8月(盛夏)7月・8月(盛夏)
透け感縞状に透ける(ほどよい)全体的に透ける(強い)
結婚式での着用〇(おすすめ)△(カジュアル寄り)
格(TPO)フォーマル〜セミフォーマルカジュアル〜お洒落着

3. 結婚式にふさわしい素材の選び方

結論として、真夏の結婚式に参列するなら「絽(ろ)」の着物を選びましょう。

絽の着物は、品のある透け感で涼しさを演出しつつ、フォーマルな格を保つことができます。招待された側としての礼儀を尽くしつつ、自分自身も涼しく過ごせるベストな選択肢と言えます。

7月と8月の結婚式で着る着物の基本

夏の着物は、カレンダー上の時期によって明確なルールがあります。特に間違いやすい「単衣(ひとえ)」との違いを整理しておきましょう。

1. 薄物(うすもの)を着る時期の目安

一般的に、絽や紗などの「薄物」と呼ばれる裏地のない透ける着物は、7月と8月の「盛夏(せいか)」に着るのが決まりです。

梅雨明けからお盆過ぎまでの最も暑い時期に、見た目にも涼を届けるのが日本人の心遣いとされています。招待状の日付がこの期間なら、迷わず薄物を選んでください。

2. 6月や9月の単衣(ひとえ)との明確な違い

6月や9月に着る「単衣」は、裏地がない点は薄物と同じですが、生地自体は透けない素材を使います。

一方、7月・8月の薄物は「透け感があること」が最大の特徴です。この透け感こそが、真夏の正装の証ですので、混同しないように気をつけましょう。

3. 当日の気温や天気に合わせた判断基準

最近は温暖化の影響で、6月下旬や9月上旬でも猛暑日になることが増えています。

基本はカレンダー通りですが、近年では「無理をして体調を崩すよりは、気温に合わせて柔軟に選ぶ」という考え方も広まっています。ただし、結婚式のような儀式の場では、やはり季節のルール(7・8月は絽)を守るのが無難でスマートです。

夏の結婚式にふさわしい着物の種類

立場によって選ぶべき着物の種類が異なります。親族と友人、それぞれの立場で恥をかかないための正解を見ていきましょう。

1. 親族として参列する場合の黒留袖や色留袖

新郎新婦の母親や親族として参列する場合は、夏用(絽)の「黒留袖」や「色留袖」を着用します。

夏用の留袖は、比翼(ひよく)と呼ばれる重ね衿の部分も絽の素材で作られています。レンタルショップでも「夏用」として指定すれば、絽の留袖を用意してもらえます。

2. 友人として参列する場合の訪問着や付下げ

友人の結婚式に参列する場合は、「絽の訪問着」や「絽の付下げ」が一般的です。

淡いブルーやミントグリーン、クリーム色など、寒色系や淡い色を選ぶと、より一層涼しげな印象を与えることができます。見る人にも涼を感じさせるコーディネートを心がけてみてください。

3. 夏の礼装で気をつけるべき「格」の考え方

夏物であっても、「家紋」が入っているか、柄の付け方がフォーマルかといった「格」のルールは通常の着物と同じです。

「暑いから」といって、浴衣や小紋のようなカジュアルな着物で参列するのはマナー違反です。素材は涼しくしても、格の高さはキープすることを忘れないでください。

夏の着物に合わせる帯と小物のルール

着物だけでなく、帯や小物も夏仕様に変える必要があります。ここを間違えると、ちぐはぐな印象になってしまうので注意が必要です。

1. 絽や紗の着物に合わせる帯の種類

絽の着物には、同じく「絽の袋帯」や「紗の袋帯」を合わせるのが基本です。

冬用の重厚な帯を締めてしまうと、背中が暑いだけでなく、見た目にも暑苦しくなってしまいます。帯も透け感のある夏用を選ぶことで、後ろ姿も涼やかに決まります。

2. 帯揚げや帯締めも夏素材にする理由

帯揚げや帯締めといった小物も、必ず「夏用」のものを使います。

  • 帯揚げ: 絽や紗の生地で、透け感があるもの
  • 帯締め: レース組みなど、涼しげな編み方のもの

小物は面積が小さいですが、ここが冬物のままだと意外と目立ってしまいます。細部まで季節感を統一するのが、着物上級者の嗜みです。

3. 長襦袢や半衿の素材選びで涼しさが変わる

着物の下に着る「長襦袢(ながじゅばん)」や、首元に見える「半衿(はんえり)」も、絽や麻などの夏素材を選びます。

特に長襦袢は肌に近い部分なので、ここの素材選びが体感温度を大きく左右します。ポリエステルよりも、通気性の良い天然素材などを選ぶのがおすすめです。

汗をかいても快適に過ごすための肌着選び

「着物は暑くて我慢するもの」というのは昔の話です。今は優秀な機能性インナーがたくさんあるので、これらを活用しない手はありません。

1. 麻(あさ)素材の長襦袢が選ばれる理由

夏の着物好きの間で絶大な支持を得ているのが、「麻(あさ)」の長襦袢です。

麻は熱を逃がす力が強く、汗をかいてもすぐに乾くため、ベタつきを感じにくいのが特徴です。一度麻の快適さを知ると、もう他の素材には戻れないという人も多いですよ。

2. 吸水速乾性に優れた機能性インナーの活用法

着物専用の肌着でなくても、ユニクロのエアリズムのような吸水速乾インナーや、ステテコを活用するのも賢い方法です。

ただし、襟ぐりが大きく開いたものを選ばないと、着物の衿から見えてしまうので注意が必要です。太ももの汗対策として、ステテコを履くと足さばきも良くなります。

3. 補正パッドをメッシュやへちまにする工夫

着付けの補正に使うタオルやパッドは、熱がこもる一番の原因になります。これを「へちま」や「メッシュ素材」のものに変えてみましょう。

  • へちまの帯枕: 通気性が抜群で、背中の蒸れを軽減します。
  • メッシュの帯板: 風を通すので、お腹周りの不快感が減ります。

これらを使うだけで、帯周りの暑さが驚くほど楽になります。

当日すぐに実践できる暑さ対策グッズ

準備万端でも、当日の猛暑は容赦ありません。そこで、着付けの直前や最中に使える秘密のテクニックをご紹介します。

1. 保冷剤を脇の下や帯の中に入れる方法

ガーゼや手ぬぐいで包んだ小さな保冷剤を、脇の下に挟んでから着付けをしたり、帯の中にこっそり忍ばせたりする方法が効果的です。

脇の下には太い血管が通っているため、ここを冷やすだけで全身の汗が引きやすくなります。ただし、冷やしすぎによる低温火傷には十分注意してください。

2. 扇子やハンディファンのスマートな使い方

扇子は着物の帯に挿しておき、待ち時間などに優しくあおぐのが粋です。

最近は小型のハンディファンも普及していますが、フォーマルな写真撮影の際などは鞄にしまいましょう。首にかけるタイプは着物の雰囲気を壊してしまうので、手持ちタイプがおすすめです。

3. 服の上から使える冷却スプレーの活用

着物を着る前に、肌着の上から「冷却スプレー」や「ハッカ油スプレー」をひと吹きしておくと、清涼感が持続します。

特に背中や胸元など、熱がこもりやすい部分にかけておくと快適です。ただし、着物(表地)に直接かかるとシミになる可能性があるので、必ず肌着の段階で使ってください。

汗染みや化粧崩れを防ぐための事前準備

せっかくの晴れ姿も、汗でドロドロになってしまっては台無しです。美しい状態をキープするための事前の仕込みが大切です。

1. 脇汗パッドや防水スプレーをしておくメリット

大切な着物を汗から守るために、長襦袢の脇部分に「汗取りパッド」を貼っておくのがおすすめです。

また、雨や汗を弾く「防水スプレー」を着る前にかけておくと安心感が増します。レンタルの場合は勝手にスプレーできないことが多いので、お店に確認するか、ガード加工済みのものを選びましょう。

2. 崩れにくいベースメイクと簡単なお直しのコツ

着物を着ると体温が上がりやすいので、メイクは「崩れる前提」で薄めに仕上げるのがコツです。

皮脂テカリ防止の下地を使い、ファンデーションは厚塗りしないようにしましょう。お直し用に、ティッシュで油分を押さえてからパウダーをはたくだけで、清潔感が復活します。

3. 髪型をアップにして首元を涼しくする効果

ロングヘアやミディアムヘアの方は、髪をしっかりとアップにして、首筋(うなじ)を出すスタイルにしましょう。

首元に風が当たるだけで、体感温度はかなり下がります。見た目にも色っぽく、着物姿が一番美しく見える髪型なので、まさに一石二鳥です。

移動中や会場内での振る舞いと注意点

家を出てから会場に着くまでの移動時間が、実は一番の難関かもしれません。無理をせず、文明の利器を頼りましょう。

1. 会場まではタクシーを利用したほうが良い理由

真夏の炎天下、駅からの徒歩移動や満員電車は、会場に着く前に汗だくになる原因です。

ドアツードアで移動できるタクシーを利用することを強くおすすめします。汗をかかずに涼しい状態で会場入りすることは、着崩れ防止にもつながる必要経費と考えましょう。

2. 冷房が効きすぎている会場内での防寒対策

暑さ対策ばかりに気を取られがちですが、結婚式場の室内は冷房がガンガンに効いていることも多いです。

絽の着物は風を通すため、室内では逆に寒く感じることもあります。薄手のストールを一枚持っておくと、肩や膝にかけられて安心です。

3. 涼しげに見せるための所作と心構え

「暑い暑い」と言いながらパタパタ扇いでいると、見ている人まで暑苦しくさせてしまいます。

暑くても背筋を伸ばし、ゆったりと動くことで、涼しげなオーラを纏うことができます。精神論のようですが、落ち着いた所作は不思議と汗を引かせる効果もあるものです。

夏用の着物を用意する方法とコスト感

「夏用の着物なんて持っていない」という方がほとんどだと思います。購入するのか、レンタルするのか、それぞれの事情に合わせて選びましょう。

1. 夏物を持っている人は意外と少ない事実

着物を日常的に着る人でない限り、着用期間が短い夏物の着物を持っている人は非常に少ないです。

ですので、「持っていないのが普通」だと安心してください。わざわざこの日のために高価な夏物を購入する必要はありません。

2. フルセットレンタルを利用するメリット

夏の結婚式には、必要なものが全て揃った「フルセットレンタル」を利用するのが最も賢い選択です。

レンタルなら、着物だけでなく、夏用の帯や小物までプロがコーディネートしてくれます。使用後もクリーニングに出さずにそのまま返却できるので、汗のケアなどの手間もかかりません。

3. 自前の着物を着る場合のお手入れ確認

もしお母様や祖母から譲り受けた夏着物を着る場合は、事前に状態をしっかり確認しましょう。

長年タンスに入っていた着物は、カビやシミができていることがあります。また、着用後はすぐにクリーニング(汗抜き)に出さないと変色してしまうため、メンテナンス費用も考慮しておきましょう。

まとめ

真夏の結婚式での着物について、マナーと暑さ対策をお伝えしました。

夏の着物はハードルが高く感じるかもしれませんが、「絽」の着物を選び、便利な冷却グッズやタクシー移動を駆使すれば、決して怖いものではありません。むしろ、透け感のある着物姿は、周りのゲストに涼と品格を届ける素敵な装いになります。

しっかりと準備をして、涼しい顔で当日を楽しんでくださいね。

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