パッキングはどうする?海外旅行に着物を持っていく際の荷造りとシワ対策を紹介

「海外の街並みを着物で歩いてみたい」そんなふうに憧れたことはありませんか?でも、いざ準備を始めると「荷物が重くなるんじゃないか」「スーツケースの中でシワくちゃになったらどうしよう」という不安が頭をよぎるものです。せっかくの旅行ですから、着物の管理に気を取られすぎず、心から楽しみたいですよね。

実は、海外旅行へのパッキングにはちょっとしたコツがあります。これさえ押さえておけば、洋服よりもコンパクトに収まり、現地でもきれいな状態で着ることができます。この記事では、私の経験をもとにした荷造りの手順と、絶対に失敗しないシワ対策についてお話しします。

目次

海外旅行に着物は持っていける?

海外旅行に着物を持っていくのは、なんだかハードルが高そうに感じてしまいますよね。でも実は、想像しているよりもずっと身軽に持ち運べるものなのです。実際に多くの着物好きさんが、世界各地で和装を楽しんでいます。

1. 意外とハードルは高くない理由

着物は洋服と違って、平らに畳めば驚くほど薄くなります。立体的な縫製ではないため、空気を抜いて重ねていけばスーツケースの場所をそれほど取りません。

それに、着物は「これ一枚あればOK」という安心感があります。コーディネートに迷って何枚もワンピースを持っていくより、お気に入りの着物を一式持っていくほうが、結果的に荷物が減ることも珍しくありません。

2. 現地で着るメリットと楽しみ

海外で着物を着ると、現地の人がとても温かく話しかけてくれます。「ビューティフル!」と声をかけられて一緒に写真を撮ったり、レストランで少し良い席に通されたりすることも。

着物は最高のコミュニケーションツールになります。言葉の壁を超えて、その国の文化と日本の文化が触れ合う瞬間は、普通の旅行では味わえない特別な体験になるはずです。

パッキングに必要な道具とは?

特別な道具を買い揃える必要はありませんが、「これがあると便利」というアイテムはいくつかあります。100円ショップで手に入るものも多いので、出発前にチェックしてみてください。

1. 着物専用の携帯バッグ(キルティング素材など)

着物をそのままスーツケースに入れるのは不安ですよね。そんな時に役立つのが、着物用の携帯バッグです。

特にキルティング素材のものはクッション性があり、外部からの衝撃や圧迫を和らげてくれます。もし専用のものがなければ、厚手の不織布ケースでも代用可能です。

2. 荷物をまとめるための大判の風呂敷

昔ながらの風呂敷は、パッキングの最強アイテムです。荷物の量に合わせて形を自在に変えられますし、ギュッと結ぶことで荷崩れを防げます。

スーツケースを開けた時に、風呂敷包みが見えると中身が整理されて見えます。現地でちょっとしたサブバッグとしても使えるので、一枚入れておくと本当に重宝します。

3. 型崩れを防ぐ洗濯ネットの活用

意外かもしれませんが、大きめの洗濯ネットが収納ケースとして優秀です。

網目が細かいものを選べば、通気性を保ちつつ、着物が他の荷物と擦れるのを防いでくれます。帯揚げや帯締めなどの小物類をまとめて入れておくのにもぴったりです。

シワになりにくい畳み方のコツ

パッキングで最も重要なのが「畳み方」です。ここで丁寧に畳んでおけば、シワのリスクは8割防げたと言っても過言ではありません。

1. 基本となる「本畳み」の手順

着物の基本の畳み方である「本畳み(ほんだたみ)」は、最もシワになりにくい方法です。縫い目に沿って平らに畳むことで、余計な折り目がつきません。

  • 衿(えり)のホックを外す
  • 脇縫いと脇縫いをきれいに合わせる
  • 衽(おくみ)線を合わせて身頃を重ねる

この手順で、できるだけ空気を抜きながら畳んでいきます。慌てずゆっくりと、手で撫でてシワを伸ばしながら行うのがポイントです。

2. コンパクトにする「袖畳み」の場合

スーツケースが小さい場合や、カジュアルな着物の場合は「袖畳み(そでだたみ)」も有効です。

  • 両袖を合わせる
  • 身頃を半分に折る
  • 袖を折り返す

本畳みよりも折り目は増えますが、面積を小さくできます。ただし、長時間この状態だと折り目が強くなることがあるので、到着したらすぐに広げるようにしましょう。

3. 畳んだ間にタオルや薄紙を挟む工夫

どうしても折り目がついてしまう部分には、クッションを挟むのが裏技です。

折り返す部分にハンドタオルや和紙(またはコピー用紙)を丸めて挟んでおくと、折り目がふんわりとして、鋭角なシワがつくのを防げます。特に衿周りや袖の折り返し部分に効果的です。

スーツケースへの詰め方は?

きれいに畳んでも、詰め方を間違えると台無しになってしまいます。スーツケースの中での「定位置」を決めてあげましょう。

1. 荷崩れを防ぐ一番上のスペース

着物は、スーツケースの「一番上」に入れるのが鉄則です。

重い荷物の下敷きになると、その圧力で頑固なシワがついてしまいます。全ての荷物を詰め終わり、最後にそっと蓋をするような感覚で着物を乗せてください。

2. 重い荷物と軽い荷物の配置バランス

スーツケースを立てて運ぶ時のことをイメージしてみましょう。

  • 下側(キャスター側):化粧ポーチ、靴、書籍など重いもの
  • 上側(ハンドル側):着物、下着など軽いもの

重いものが下に来るように配置することで、移動中に荷物が雪崩を起こして着物を押し潰すのを防げます。このバランスを意識するだけで、荷解きした時の状態が全然違います。

3. 隙間を埋める緩衝材の役割

スーツケースの中に隙間があると、移動中に荷物が動いて摩擦が起きます。これがシワや着崩れの原因になります。

隙間には丸めたタオルやTシャツを詰め込みましょう。荷物がガッチリと固定され、着物が動かないようにするのがプロのパッキング術です。

機内持ち込みと預け入れ、どっちが良い?

これは悩ましい問題ですよね。それぞれのメリットとデメリットを比較して、自分の旅のスタイルに合う方を選びましょう。

比較項目機内持ち込み預け入れ荷物
シワのリスク折り畳む回数が増えるため高い平らに収納できるため低い
紛失リスク自分で管理できるためゼロロストバゲージの可能性あり
持ち運び移動中も荷物になり重い手ぶらで楽に移動できる

1. ロストバゲージ対策としての手荷物

絶対に無くしたくない高価な着物や、到着後すぐに着る予定がある場合は、機内持ち込みをおすすめします。

「ロストバゲージで着物が届かなかった」なんてことになったら、旅の計画が全て狂ってしまいますよね。肌身離さず持っていれば、精神的な安心感は絶大です。

2. シワ対策としての預け入れ荷物

シワを最小限に抑えたいなら、大きなスーツケースに入れて預けるのが正解です。

機内持ち込みサイズだと、どうしても小さく折り畳む必要が出てきます。大きなスーツケースなら、二つ折りや三つ折り程度でゆったり収納できるので、着物への負担が少なくなります。

3. 高価な帯留めや小物の管理

帯留めやかんざしなどの貴金属類は、必ず手荷物に入れましょう。

スーツケースに入れていると、衝撃で破損したり、万が一の盗難に遭ったりするリスクがあります。また、空港のセキュリティチェックで金属反応が出ることもあるので、出しやすいポーチにまとめておくとスムーズです。

草履や小物の収納はどうする?

着物本体だけでなく、草履や小物類の収納も重要です。形が崩れやすいものが多いので、ちょっとした工夫が必要です。

1. 鼻緒を潰さない草履の入れ方

草履をそのまま詰め込むと、他の荷物に押されて鼻緒がペチャンコになってしまうことがあります。

  • 鼻緒の下に丸めた新聞紙やプチプチを詰める
  • 片足ずつビニール袋やシャワーキャップに入れる

こうして枕を作ってあげることで、ふっくらとした形をキープできます。現地で履く時に、足が痛くなるのも防げますよ。

2. 帯締めや帯揚げのコンパクトなまとめ方

長い帯締めは、そのまま入れると絡まって大変なことになります。

くるくると丸めて、端を止めておくか、ラップの芯などに巻きつけておくと良いでしょう。帯揚げも小さく畳んで、ジッパー付きの保存袋に入れておけば、空気を抜いて圧縮できます。

3. 髪飾りなどの壊れ物を守る方法

つまみ細工や繊細な髪飾りは、絶対に潰したくないですよね。

プラスチックの保存容器(タッパー)に入れるのが一番安全です。容器の中で動かないように、ティッシュなどで隙間を埋めておきましょう。これでスーツケースの外から圧力がかかっても大丈夫です。

ホテルに到着してすぐにやるべきこと

長いフライトお疲れ様でした。ホテルに着いて「やっと休める」とベッドに倒れ込む前に、着物のために一つだけやってほしいことがあります。

1. スーツケースから出してハンガーにかける

何よりも先に、着物をスーツケースから救出してあげてください。

畳んだ状態で長時間圧迫されていた着物を解放し、重力で自然にシワを伸ばします。これをするかしないかで、翌日の着姿に大きな差が出ます。

2. 着物ハンガーがない場合の代用品

海外のホテルには、当然ながら着物用ハンガーはありません。

洋服用のハンガーを2本使うか、バスタオルをハンガーに巻きつけて肩に厚みを出して掛けましょう。袖がだらんと垂れてシワにならないよう、工夫して掛けるのがポイントです。

3. 湿気を取り除くための風通し

スーツケースの中は意外と湿気がこもっています。

クローゼットにしまい込まず、まずは部屋の風通しの良い場所に掛けておきましょう。湿気を飛ばすことで、生地が呼吸し、シワも伸びやすくなります。

現地でシワが気になった時の対処法

気をつけていても、どうしてもシワがついてしまうことはあります。でも焦らなくて大丈夫。現地でできるリカバリー方法を知っていれば安心です。

1. 浴室の蒸気を利用する方法

ホテルのバスルームを使った、昔ながらの知恵です。

シャワーを浴びた後の、蒸気が残っているバスルームに30分〜1時間ほど着物を掛けておきます。湿気で繊維がふっくらとしてシワが取れます。ただし、長く掛けすぎると湿気で重くなるので、必ずその後は室内で陰干しして乾かしてください。

2. 携帯用スチームアイロンの使用可否

海外対応の携帯用スチームアイロンがあれば最強です。

ただし、電圧には十分注意してください。変圧器が必要な場合もあります。また、スチームを当てる際は、生地から少し離して、直接アイロン面が触れないようにしましょう。

3. シワ取りスプレーを使う際の注意点

市販のシワ取りスプレーは便利ですが、着物の素材によってはシミになる可能性があります。

特に正絹(シルク)や縮緬(ちりめん)などは水気に弱いです。使う場合は、必ず目立たない裾の方でテストしてから、遠くからふんわりとかけるようにしてください。

帰国時のパッキングで気をつけること

楽しかった旅行も終わり、いよいよ帰国。疲れているかもしれませんが、家に帰るまでが着物旅です。

1. 着用後の汗や湿気の処理

脱いですぐの着物を畳んでパッキングするのはNGです。

汗や体温を含んだまま密閉すると、カビや変色の原因になります。帰国日の前日には着用せず、一晩しっかり部屋干しして乾燥させてからパッキングしましょう。

2. 汚れがある場合の仕分け方

もし食べこぼしや泥ハネで汚れてしまった場合は、他のものに移らないように隔離します。

「汚れあり」とわかるようにビニール袋に入れ、帰国したらすぐにクリーニングに出せるようにしておきましょう。汚れた部分をこすったりするのは厳禁です。

3. お土産スペースとの兼ね合い

帰りは行きよりも荷物が増えていることが多いですよね。

お土産の箱の角が着物に当たらないよう、配置には細心の注意を払ってください。液体のお土産(ワインや化粧水など)は、万が一漏れても着物に被害が及ばないよう、別の袋に入れて厳重にガードしましょう。

まとめ:海外でも着物を楽しむために

着物を持っていくことは、単に「服を持っていく」以上の意味があります。パッキングの手間は少し増えるかもしれませんが、それ以上の感動や出会いが待っているはずです。

準備さえしっかりしておけば、現地でのトラブルはほとんど防げます。今回ご紹介した「本畳み」や「一番上に乗せる」といった基本を守って、ぜひ次の海外旅行では着物姿で街を歩いてみてください。

きっと、いつもの旅行とは違う、鮮やかな景色が見えてくるはずですよ。

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