黒留袖に合わせるかんざしのマナー!母親にふさわしい髪飾りの素材と色を解説

息子の結婚式や娘の晴れ舞台、母親として黒留袖を着ることになったけれど「髪飾りはどうすればいいの?」と悩んでいませんか?

黒留袖に合わせるかんざしには、実は大切なマナーがあります。「派手すぎて笑われないか」「地味すぎてお祝いの席に失礼にならないか」と不安になるのは、親として当然の気持ちですよね。

この記事では、黒留袖に合わせるかんざしのマナーや、母親にふさわしい素材や色の選び方をやさしく解説します。

正しい知識を持てば、自信を持って当日を迎えられますよ。新郎新婦の母として、品格ある素敵な装いを見つけましょう。

目次

黒留袖を着るときのかんざしのマナー

結婚式という特別な場では、何よりも「礼節」が重んじられます。おしゃれを楽しむこと以上に、主催者側の人間としてゲストをお迎えする立場であることを忘れてはいけません。

まずは、母親として押さえておきたい基本的なマナーの心構えから見ていきましょう。

1. 母親としての上品な装いとは

母親の装いで一番大切なのは「品格」です。主役である新郎新婦よりも目立ってはいけませんが、決して地味であれば良いというわけではありません。

黒留袖は既婚女性が着るもっとも格式高い着物、つまり「第一礼装」です。そのため、合わせる髪飾りもその格に見合ったものを選ぶ必要があります。

安っぽいプラスチック製や、普段使いのクリップでは、せっかくの素晴らしい着物が台無しになってしまいますよね。

髪飾りひとつで、全体の印象がグッと引き締まります。「あのお母様、素敵だな」と思われるような、落ち着きと気品を感じさせるものを選びましょう。

2. 新郎新婦を引き立てる心がけ

結婚式の主役はあくまでも新郎新婦です。母親の役割は、二人の幸せを願い、ゲストに感謝を伝えるホスト役になります。

そのため、髪飾りも「自分を飾るため」ではなく、「相手への敬意を表すため」のものだと考えてみてください。

たとえば、大きすぎる花飾りや、キラキラと輝きすぎるラインストーンは、主役の座を奪ってしまうようでマナー違反とされています。

一歩引いた奥ゆかしさの中に、お祝いの気持ちを込める。そんな慎み深い美しさこそが、黒留袖に合わせる髪飾りの正解なのです。

母親にふさわしいかんざしの形と種類

「かんざし」と一口に言っても、実はいろいろな形があります。お店に行くとたくさんの種類が並んでいて、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。

黒留袖に合わせるなら、奇抜な形は避けて、昔から愛されている定番の形を選ぶのが一番の安心です。

1. 定番で安心なバチ型かんざし

黒留袖にもっともよく似合うと言われているのが、「バチ型」と呼ばれるかんざしです。

三味線を弾くときの「バチ」のような形をしていて、末広がりの扇形が縁起が良いとされています。この形には、こんな特徴があります。

  • 二本足タイプ
  • 扇型のフォルム

二本足でしっかりと髪に留まるので、安定感も抜群です。また、扇面の部分に美しい絵柄が描かれているものが多く、後ろ姿を華やかに見せてくれます。

「どれにしようか決められない」というときは、まずはこのバチ型を探してみるのが間違いのない選択です。

2. まとめ髪に使いやすいコーム型

もう一つおすすめなのが、櫛(くし)の形をした「コーム型」の髪飾りです。

バチ型よりも髪に挿す部分がたくさんあるため、髪の量が少ない方や、ショートヘアをアップ風にセットする場合でもしっかりと固定できます。

髪の結び目の上にスッと差し込むだけで、簡単に華やかさをプラスできるのが嬉しいポイントですね。

ただし、洋風のデザインすぎるものは避けてください。あくまでも和の雰囲気を大切にした、落ち着いたデザインのものを選びましょう。

黒留袖に合わせる素材の選び方

形が決まったら、次は素材に注目してみましょう。素材の良し悪しは、遠目から見ても意外とわかってしまうものです。

大人の女性として恥ずかしくない、上質な素材を選ぶことが大切です。おすすめの素材を3つ紹介します。

1. 格の高さを表す本べっ甲

もっとも格が高く、黒留袖にふさわしいとされるのが「本べっ甲」です。

ウミガメの一種であるタイマイの甲羅から作られるこの素材は、独特の美しいツヤと温かみのあるアメ色が特徴です。

本べっ甲には、素晴らしい魅力があります。

  • 使うほどに髪に馴染む
  • 肌映りがとても良い

お値段は高くなりますが、一生ものとして使える価値があります。「ここぞ」という晴れの舞台には、やはり本物の輝きがよく似合います。

2. 華やかさを添えるパール素材

真珠(パール)も、結婚式のようなお祝いの席にはぴったりの素材です。

黒留袖の黒い色に対して、パールの白い輝きはとてもよく映えます。上品さと華やかさを同時に演出してくれる、頼もしい存在ですね。

バチ型のかんざしにパールがあしらわれているデザインなら、和装のルールを守りつつ、少しモダンな雰囲気も楽しめます。

ただし、ジャラジャラと垂れ下がるようなデザインは避けましょう。粒のそろったパールが、さりげなく付いているものがベストです。

3. 上品に輝く塗りの質感

漆(うるし)などで仕上げられた「塗り」のかんざしも、とても人気があります。

黒塗りの艶やかな表面に、金粉や銀粉で絵を描いた「蒔絵(まきえ)」が施されているものは、まるで小さな芸術作品のようです。

日本の伝統的な美しさを感じられるので、着物との相性は抜群です。

本べっ甲に比べると手に入りやすい価格のものも多いので、まずは塗りの良いものを一つ持っておくと重宝しますよ。

失敗しない髪飾りの色選び

素材と同じくらい大切なのが「色」の選び方です。着物が黒なので、髪飾りの色が全体のバランスを左右します。

派手すぎず、地味すぎず、ちょうどよい色味を見つけるためのポイントを押さえておきましょう。

1. 基本となる黒とあめ色の魅力

基本中の基本と言えるのが、「黒」と「あめ色(べっ甲色)」の2色です。

黒いかんざしは、髪の色に自然に馴染みます。そこに金や銀の模様が入ることで、シックで落ち着いた大人の美しさを引き出してくれます。

一方、あめ色は黒髪の中でふんわりと明るく浮かび上がり、顔周りを優しく見せてくれる効果があります。

どちらも間違いのない色ですが、ご自身の髪色や肌のトーンに合わせて選んでみると良いでしょう。

2. お祝いの席に映える金と銀

結婚式はおめでたい席ですから、「金」や「銀」の色が入っているものも大変喜ばれます。

特に、扇面の部分が金や銀で縁取られているデザインは、ライトが当たったときにキラリと輝いてとても綺麗です。

  • 金:豪華で温かみのある印象
  • 銀:清楚で凛とした印象

どちらの色を選ぶかは、着物の柄に使われている刺繍や箔の色と合わせると、統一感が生まれて素敵ですよ。

3. 避けたほうがよい派手な色

逆に、避けたほうがよい色もあります。それは、原色に近い赤やピンク、鮮やかな青などの「カジュアルな色」です。

こういった色は、振袖や浴衣などの若い方向けの着物には似合いますが、黒留袖の重厚感とはチグハグになってしまいます。

また、全体がキラキラしすぎる総ラインストーンのものも、夜のパーティーなら良いですが、昼間の結婚式では少し派手すぎる印象を与えてしまいます。

あくまでも「上品な輝き」を意識して選ぶようにしましょう。

おめでたい席に良いとされる柄

かんざしに描かれている「柄」にも、実は意味があることをご存じでしたか?

ただのデザインだと思わずに、お祝いの気持ちを柄に託してみるのも、着物の粋な楽しみ方の一つです。

1. 縁起の良い吉祥文様の意味

結婚式には、「吉祥文様(きっしょうもんよう)」と呼ばれる縁起の良い柄がぴったりです。

これらは昔から、幸せや長寿、繁栄を願う意味が込められてきました。代表的な柄をいくつか見てみましょう。

  • 鶴(つる):夫婦円満、長寿
  • 亀(かめ):長寿
  • 松竹梅(しょうちくばい):おめでたいことの象徴
  • 扇(おうぎ):末広がりで発展する

こういった柄のかんざしを挿すことは、「新郎新婦が末永く幸せでありますように」という、母親からの無言のメッセージにもなるのです。

2. 季節を問わずに使える柄

結婚式の時期によっては、季節の花が描かれたものを選ぶのも素敵です。春なら桜、秋なら紅葉などですね。

でも、「季節外れにならないか心配」という方も多いはずです。そんなときは、季節を問わない柄を選んでおけば安心です。

  • 唐草(からくさ)模様
  • 七宝(しっぽう)つなぎ
  • 幾何学模様

これらの柄なら、春でも秋でも、真夏でも真冬でも、季節を気にせず一年中使うことができます。一つ持っておくととても便利ですよ。

3. 着物の柄と合わせる楽しみ

上級者のおしゃれとしておすすめなのが、着物の柄とかんざしの柄をリンクさせることです。

たとえば、着物の裾に「松」が描かれているなら、かんざしにも「松」の柄が入ったものを選んでみるのです。

また、着物に金糸がたくさん使われているなら、かんざしも金を基調としたものにするなど、雰囲気を合わせるだけでも統一感が出ます。

「あ、着物とお揃いなんですね」と気づいてもらえたら、会話も弾んで嬉しい気持ちになりますよね。

年代別に見るおすすめのデザイン

同じ黒留袖でも、40代の方が着る場合と、60代の方が着る場合では、似合う雰囲気が少しずつ変わってきます。

ご自身の今の年齢にぴったりのデザインを選ぶことで、若作りにも老け見えにもならない、年相応の美しさを手に入れましょう。

1. 40代・50代の華やかな選び方

40代・50代のお母様は、まだ若々しさを残しつつ、落ち着きも出てくる年代です。

あまりに渋いものを選んでしまうと、実年齢より上に見られてしまうこともあります。ですので、少し華やかさをプラスするのがおすすめです。

パールが付いたデザインや、ラインストーンが控えめに輝くものなど、明るい印象のものがよく似合います。

バチ型の中でも、透かし彫りになっているような軽やかなデザインを選ぶと、洗練された都会的な印象になりますよ。

2. 60代からの落ち着いた選び方

60代以降のお母様には、何よりも「素材の良さ」で勝負することをおすすめします。

デザイン自体はシンプルでも、本べっ甲や漆塗りのような本物の質感があるものは、大人の女性の品格を際立たせてくれます。

派手な装飾は必要ありません。しっとりとした艶や、伝統的な蒔絵の美しさを味方につけましょう。

重厚感のあるかんざしは、年齢を重ねたからこそ似合う、特権のようなアイテムなのです。

年代おすすめのポイント避けたいもの
40代・50代パールや透かし彫りで程よい華やかさを。地味すぎて老けて見えるデザイン。
60代以降本べっ甲や漆塗りなど素材の上質さを重視。安っぽいプラスチックや派手な装飾。

かんざしを挿す正しい位置と見せ方

素敵なかんざしを手に入れても、挿す位置を間違えてしまうと、なんだかバランスが悪く見えてしまいます。

美容師さんにお任せする場合も多いと思いますが、「ここに挿してください」とリクエストできるように、基本の位置を知っておきましょう。

1. 耳の高さに合わせる基本のバランス

もっとも美しく、上品に見える基本の位置は「耳の高さ」から「耳より少し上」あたりです。

これより高い位置(頭のてっぺん近く)に挿すと、若々しすぎて少し子供っぽい印象になってしまいます。

逆に、耳よりかなり低い位置(襟足近く)に挿すと、落ち着きすぎて老けた印象を与えてしまうことがあります。

耳の延長線上にスッと挿すことで、横顔も後ろ姿もすっきりと洗練された印象になりますよ。

2. 髪型と髪飾りの良い関係

髪のボリュームと、かんざしの大きさのバランスも大切です。

たとえば、ボリュームたっぷりのアップヘアに小さすぎるかんざしだと、埋もれてしまって存在感がありません。

逆に、コンパクトなまとめ髪に巨大なかんざしを挿すと、頭だけが重たく見えてしまいます。

美容院でセットしてもらう場合は、事前にはかんざしを見せて「これを使いたいので、バランスの良い髪型にしてください」と伝えておくと安心ですね。

かんざし以外の髪飾りは使えるのか

「かんざしは持っていないけれど、生花ならどうかな?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、黒留袖の場合は避けたほうがよいアイテムがいくつかあります。知らずに使ってしまわないよう、チェックしておきましょう。

1. 生花やドライフラワーがNGな理由

生花やドライフラワーの髪飾りは、基本的には「花嫁さん」の特権です。

また、振袖を着る成人式などでは可愛らしいですが、黒留袖の格式には少しカジュアルすぎてしまいます。

「お祝いだからお花を」という気持ちはわかりますが、黒留袖にはやはり、かんざしや礼装用のコームを合わせるのがマナーです。

造花であっても、大きすぎるものやカラフルなものは避けたほうが無難です。

2. カジュアルすぎる素材の注意点

普段使いしているようなヘアアクセサリーも、黒留袖には不向きです。

たとえば、シュシュやバレッタ、プラスチック製のクリップなどは、どうしても「普段着」の延長に見えてしまいます。

たとえ色が黒であっても、素材がカジュアルなものはNGです。

結婚式はフォーマルな場ですから、髪飾りも必ず「礼装用(フォーマル用)」として売られているものを選ぶようにしましょう。

かんざしは購入かレンタルか

最後に、かんざしをどうやって用意するかという問題です。「買うべきか、借りるべきか」は、今後の予定によって決めると良いでしょう。

それぞれのメリットを比較して、ご自身に合う方法を選んでください。

1. 長く大切に使うなら購入の良さ

もし、これから下に兄弟姉妹が控えていたり、親戚の結婚式が続く予定があるなら、一つ「良いもの」を購入しておくのがおすすめです。

自分だけのかんざしを持つことは、とても愛着が湧くものです。

  • いつでも使える安心感がある
  • 娘や嫁に受け継ぐことができる
  • 記念の品として残る

大切に使えば、一生ものの宝物になります。将来、お孫さんの結婚式でまた使う日が来るかもしれませんね。

2. 着物と一緒に借りるレンタルの手軽さ

「黒留袖を着るのは今回が最後かもしれない」という場合は、レンタルが断然お得で手軽です。

着物をレンタルするお店では、セットで草履やバッグ、そしてかんざしも貸してくれるところが多くあります。

  • 保管の手間がいらない
  • 買うよりも安く済む
  • プロが選んだコーディネートを楽しめる

その都度、違うデザインを楽しめるのもレンタルの魅力です。無理に購入せず、賢く利用するのも一つの方法ですね。

比較項目購入するメリットレンタルするメリット
コスト初期費用はかかるが資産になる。安く済ませることができる。
手間保管や手入れが必要。使用後は返すだけで楽。
選び方自分の好みを追求できる。プロの提案にお任せできる。

まとめ:黒留袖に合うかんざしで素敵な晴れの日を

ここまで、黒留袖に合わせるかんざしのマナーや選び方についてご紹介してきました。

黒留袖のかんざし選びで大切なのは、次の3つのポイントです。

  • 形は「バチ型」か「コーム型」の定番を選ぶ
  • 素材は「べっ甲」「パール」「塗り」で上品に
  • 色は「黒・金・銀」で、派手すぎないものを

難しく考える必要はありません。「新郎新婦をお祝いしたい」という温かい気持ちがあれば、自然とふさわしいものが見えてくるはずです。

素敵なかんざしを身につけたお母様の笑顔は、きっと新郎新婦にとっても自慢になることでしょう。

どうか、自信を持って堂々と振る舞ってくださいね。思い出に残る、素晴らしい一日になりますように。

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