「着物の種類が多すぎて、どれを選べばいいのか全然わからない!」と悩んだことはありませんか?
タンスを開けてみたものの、この着物がいつ着られるものなのか、結婚式に着て行っていいのか、不安になることってありますよね。
着物の世界には独特の「格(ランク)」というルールがあり、それを知らないと恥をかいてしまうこともあります。
でも、安心してください。
実は、着物の種類と選び方の基本さえ押さえてしまえば、洋服と同じようにTPOに合わせて楽しむことができるんです。
この記事では、着物初心者さんが迷わないように、全11種類の着物を格の順番に解説し、季節ごとの選び方も分かりやすく紹介します。
これを読めば、もう着物選びで迷子になることはありませんよ。
着物の種類と「格」の関係とは?

着物には「格(ランク)」という厳格なルールが存在します。
これは洋服でいうところの「ドレスコード」のようなものだと考えてください。
結婚式にジーンズで行かないのと同じように、着物にもその場にふさわしい格があります。
大きく分けると、着物の格は以下の4つのグループに分類されます。
- 礼装
- 準礼装
- 略礼装
- 外出着
それぞれのグループには明確な役割の違いがあります。
まずは、この4つの大きな枠組みを理解することから始めましょう。
そうすれば、細かい種類の違いもスッと頭に入ってくるはずです。
1. 最も格式が高い「礼装(第一礼装)」
「礼装」は、着物の中で最も格が高いグループです。
洋服で例えるなら、フォーマルなイブニングドレスやモーニングコートにあたります。
結婚式の新郎新婦の母親や仲人、公的な式典の主催者など、主役級の人が着用します。
このクラスの着物は、人生の節目となる特別な日にしか袖を通しません。
背中や袖などに5つの家紋(五つ紋)が入っているのが大きな特徴です。
ミスやマナー違反が許されない、非常に重要な場面で着るものだと覚えておきましょう。
2. 結婚式やお茶会などの華やかな席に向く「準礼装」
「準礼装」は、礼装に次ぐ格式を持つ着物です。
洋服でいうと、カクテルドレスやセミフォーマルなスーツのようなイメージですね。
結婚式のお呼ばれや、格式のあるパーティー、入学式や卒業式などで活躍します。
礼装ほど堅苦しくはありませんが、相手への敬意を表すための装いです。
紋の数によって格が変わることもあり、一つ紋や三つ紋を入れることで格調高さが増します。
大人の女性として、一着持っておくと非常に重宝するランクと言えるでしょう。
3. 幅広いシーンで活躍する「略礼装」
「略礼装」は、もう少しカジュアルなパーティーや食事会などに適したグループです。
洋服なら、少し良いレストランに行く時のワンピースや、おしゃれなセットアップといったところでしょうか。
七五三の付き添いや、観劇、同窓会など、社交的な場で楽しむことができます。
このランクの着物は、色や柄のバリエーションが豊富で、自分の個性を出しやすいのが魅力です。
堅苦しいルールに縛られすぎず、かといって失礼にもならない、絶妙なバランスを持っています。
着物をファッションとして楽しみたい時に、最も出番が多いかもしれませんね。
4. 普段のお出かけに楽しむ「外出着(街着)」
「外出着」は、普段着として楽しむカジュアルな着物です。
洋服で言えば、Tシャツにデニム、あるいはちょっとしたお出かけ用のブラウスやスカートです。
友人とのランチやショッピング、近所のお散歩など、プライベートな時間を過ごす時に着ます。
ここには細かいルールはほとんどありません。
好きな色、好きな柄、遊び心のある帯合わせなど、自由にコーディネートを楽しんでください。
ただし、いくら高価な着物でも、このグループのものを結婚式などの式典に着ていくのはマナー違反になるので注意が必要です。
【礼装・準礼装】式典や改まった席で着る5つの種類
ここからは具体的な着物の種類を見ていきましょう。
まずは失敗が許されない、フォーマルシーンで着用する5つの着物です。
これらは「誰が」「どんな立場で」着るかが明確に決まっています。
以下の5つが、代表的な礼装・準礼装の着物です。
- 黒留袖
- 色留袖
- 振袖
- 訪問着
- 喪服
それぞれの特徴と着用シーンを詳しく解説します。
違いをしっかりと理解して、いざという時に自信を持って着られるようになりましょう。
1. 既婚女性が着る第一礼装「黒留袖」
黒留袖は、既婚女性が着る着物の中で最も格が高い第一礼装です。
生地の色は黒で、裾の部分にだけ模様が入っているのが特徴です。
背中、両袖の後ろ、両袖の前、両胸の計5箇所に家紋が入っています。
主に結婚式で、新郎新婦の母親や仲人夫人が着用します。
「ゲストをお迎えする側」としての礼儀を尽くすための装いです。
上半身は黒一色なので、帯合わせや小物は白や金銀で統一し、厳粛かつ華やかに装います。
2. 未婚・既婚を問わず着られる「色留袖」
色留袖は、黒留袖と同じように裾だけに模様が入った着物ですが、地色が黒以外のものを指します。
以前は既婚女性のものでしたが、現在は未婚女性も着ることができる礼装です。
紋の数によって格が変わり、五つ紋なら黒留袖と同格の第一礼装、三つ紋や一つ紋なら準礼装になります。
結婚式に親族として出席する場合や、叙勲などの式典に招かれた場合に適しています。
黒留袖だと少し重すぎるけれど、格調高く装いたいという時にぴったりです。
華やかな色合いが多いので、お祝いの席を明るく彩ることができますよ。
3. 成人式でおなじみの未婚女性の第一礼装「振袖」
振袖は、未婚女性の第一礼装で、長い袖が最大の特徴です。
袖の長さによって「大振袖」「中振袖」「小振袖」に分かれますが、成人式でよく見かけるのは中振袖です。
若々しく華やかな柄が多く、着るだけでその場がパッと明るくなりますね。
成人式はもちろん、結婚式にゲストとして出席する場合や、卒業式などで着用されます。
「厄を払い、幸せを招く」という意味も込められている縁起の良い着物です。
未婚のうちしか着られない特別な着物なので、機会があればぜひ楽しんでください。
4. お呼ばれの席に最適な「訪問着」
訪問着は、未婚・既婚を問わずに着られる準礼装です。
最大の特徴は「絵羽模様(えばもよう)」といって、縫い目をまたいで一枚の絵のように柄が繋がっていることです。
肩から裾にかけて流れるような模様が描かれており、非常に華やかで豪華な印象を与えます。
結婚式のゲスト、お宮参り、七五三、入学式・卒業式のお母様など、幅広いシーンで活躍します。
一つ持っていると、人生の様々な節目に対応できる万能な着物と言えるでしょう。
柄の雰囲気も古典的なものからモダンなものまで多種多様で、選ぶのがとても楽しいですよ。
5. 葬儀や法事など悲しみの席で着る「喪服」
喪服は、お葬式や法事などの弔事(悔やみ事)で着用する着物です。
「黒紋付(くろもんつき)」とも呼ばれ、光沢のない黒の無地に、五つの家紋が入っています。
帯や帯揚げ、帯締め、草履などの小物もすべて黒で統一するのが基本ルールです。
喪主や親族として参列する場合に着用するのが一般的です。
悲しみの気持ちを表すための装いですから、おしゃれを楽しむ要素は一切ありません。
マナーが特に重視される場面ですので、正しい着こなしを知っておくことが大切です。
| 着物の種類 | 着用対象 | 主な着用シーン | 特徴 |
| 黒留袖 | 既婚女性 | 結婚式(母親・仲人) | 黒地・裾模様・五つ紋 |
| 色留袖 | 女性全般 | 結婚式(親族)・式典 | 色地・裾模様・紋の数で格変化 |
| 振袖 | 未婚女性 | 成人式・結婚式ゲスト | 長い袖・全体に華やかな柄 |
| 訪問着 | 女性全般 | 結婚式・パーティー・式典 | 絵羽模様(柄が繋がっている) |
| 喪服 | 女性全般 | 葬儀・告別式・法事 | 黒無地・五つ紋・小物は全て黒 |
【略礼装】パーティーやお稽古事に適した3つの種類
次は、もう少し身近な「略礼装」のグループです。
フォーマルすぎず、カジュアルすぎないこのゾーンは、現代のライフスタイルに最もマッチします。
「ちょっといいお店で食事」といったシーンでも、浮くことなく上品に着こなせますよ。
代表的な略礼装は以下の3つです。
- 付け下げ
- 色無地
- 江戸小紋
一見すると訪問着や小紋と似ているものもありますが、それぞれの特徴を押さえれば簡単に見分けられます。
使い勝手の良さは抜群なので、ぜひチェックしてみてください。
1. 訪問着よりも柄が控えめな「付け下げ」
付け下げは、訪問着を簡略化したような位置づけの着物です。
訪問着のようなダイナミックな絵羽模様ではなく、柄が縫い目をまたがないように配置されています。
そのため、訪問着よりも少し控えめで、落ち着いた印象を与えるのが特徴です。
友人の結婚式やパーティー、子供の入学式など、訪問着と同じようなシーンで着用できます。
「訪問着だと少し派手すぎるかな?」と感じる場面では、付け下げの方が馴染むことも多いですね。
最近では訪問着に近い華やかな柄の「付け下げ訪問着」もあり、人気の高い種類です。
2. 一つ紋を入れると格が上がる「色無地」
色無地は、その名の通り、黒以外の単色で染められた柄のない着物です。
生地の織り方で地紋(じもん)が入っているものもありますが、遠目には一色に見えます。
シンプルだからこそ、帯合わせによって慶事にも弔事にも使えるという、驚きの汎用性を持っています。
背中に一つ紋を入れると略礼装となり、お茶会や入学式などに最適です。
紋を入れなければ、普段のお出かけ着としてカジュアルに着ることもできます。
帯を変えるだけでガラリと雰囲気が変わるので、コーディネートの腕の見せ所ですね。
3. 遠目には無地に見える格式高い「江戸小紋」
江戸小紋は、遠くから見ると無地に見えるほど、非常に細かい柄が染め抜かれた着物です。
「鮫(さめ)」「行儀(ぎょうぎ)」「角通し(かくどおし)」という柄は「江戸小紋三役」と呼ばれ、格が高くなります。
これらは紋を入れることで、色無地と同じように略礼装として扱われます。
武士の裃(かみしも)がルーツというだけあって、凛とした粋な雰囲気が魅力です。
お茶席や、少し改まった食事会などに着ていくと、「通」な感じがしてとても素敵ですよ。
無地感覚で帯合わせがしやすいので、着回し力も抜群です。
【外出着】普段のお出かけや街歩きを楽しむ3つの種類
最後は、もっと自由に着物を楽しむための「外出着」です。
ここには堅苦しいルールはありません。
洋服を選ぶような感覚で、自分の好きなデザインを選んで楽しみましょう。
普段着として親しまれている主な着物は以下の3つです。
- 小紋
- 紬
- 浴衣
これらは基本的に式典などのフォーマルな場には着て行けません。
あくまでプライベートを楽しむための着物だということを覚えておいてくださいね。
1. 全体に同じ模様が繰り返される「小紋」
小紋は、着物全体に同じ模様が繰り返し染められている着物です。
上下の方向に関係なく柄が入っており、洋服のプリント生地のような感覚に近いです。
花柄、幾何学模様、動物柄など、デザインのバリエーションは無限大です。
観劇、ショッピング、友人とのランチ、お稽古事など、日常のあらゆるシーンで活躍します。
型染めという技法で作られることが多く、比較的リーズナブルなものも多いのが嬉しいですね。
「今日は着物でお出かけしようかな」と思った時に、真っ先に候補に上がるのがこの小紋です。
2. 織りの着物で趣味性が高い「紬(つむぎ)」
紬は、先に糸を染めてから織り上げる「織りの着物」の代表格です。
大島紬や結城紬など、全国各地に有名な産地があり、伝統工芸品としても人気があります。
独特の風合いと光沢、そして丈夫さが特徴で、着れば着るほど体に馴染んできます。
非常に高価な紬もありますが、格としてはあくまで「普段着」に分類されます。
どれだけ高級でも結婚式には着て行けないので注意が必要ですが、通好みの「粋」な着物です。
着物好きが最後に行き着くのは紬、と言われるほど奥深い魅力を持っています。
3. 夏のイベントや夕涼みの定番「浴衣(ゆかた)」
浴衣は、木綿素材で作られた最もカジュアルな夏の着物です。
元々は湯上がりに着る部屋着でしたが、現在では夏祭りや花火大会の定番ファッションとして定着しています。
素肌の上に直接着ることができるので、長襦袢などの下着を重ねる必要がなく、初心者でも簡単に着られます。
最近では、衿を入れて着物風に着こなすスタイルも流行っていますね。
価格も手頃で、洗濯機で洗えるものも多いので、着物デビューには最適です。
夏の思い出作りには欠かせない、日本の風物詩とも言える存在です。
季節で変わる着物の仕立て「袷・単衣・薄物」の違い
着物の種類と同じくらい大切なのが、「季節」による仕立ての違いです。
日本には四季があるので、気温に合わせて着物の裏地や生地を変える必要があります。
これを間違えると、真冬にTシャツで歩いているような、ちぐはぐな状態になってしまいます。
季節による仕立ての違いは、大きく分けて以下の3つです。
- 袷(あわせ)
- 単衣(ひとえ)
- 薄物(うすもの)
いつ、どの仕立てを着ればいいのか、カレンダーと照らし合わせながら確認してみましょう。
このルールを守るだけで、着物姿がグッと洗練されて見えますよ。
1. 10月から5月まで長い期間着る「袷(あわせ)」
袷は、着物に裏地(胴裏と八掛)をつけて仕立てたものです。
10月から翌年の5月まで、秋・冬・春の3シーズンにわたって着用します。
裏地があるため生地に重みが出て、見た目にも温かみがあり、実際に保温性も高いです。
一年のうちで最も長く着るタイプなので、最初に揃えるならまずは袷の着物をおすすめします。
成人式の振袖や、結婚式の留袖なども、基本的にはこの袷仕立てになっています。
現代の空調事情に合わせて着用時期のルールは少し緩くなっていますが、基本として覚えておきましょう。
2. 季節の変わり目の6月と9月に着る「単衣(ひとえ)」
単衣は、裏地をつけずに仕立てた着物のことです。
季節の変わり目である6月と9月に着用するのが基本のルールです。
生地自体は袷と同じものを使うこともありますが、裏地がない分、軽くて涼しい着心地になります。
最近は温暖化の影響で、5月や10月でも暑い日が増えていますよね。
そんな時は、無理に袷を着ずに単衣を着ても問題ないとされています。
気温に合わせて柔軟に調整するための、便利なつなぎ役の着物と言えます。
3. 真夏の7月・8月に着る涼しい「薄物(うすもの)」
薄物は、7月と8月の盛夏(せいか)に着る、透け感のある着物です。
「絽(ろ)」や「紗(しゃ)」といった、風通しの良い織り方の生地が使われます。
見た目にも涼やかで、着ている本人だけでなく、見ている人にも清涼感を与えてくれます。
下に着ている長襦袢が透けて見えるのが特徴で、その透け感を楽しむのが夏の着物の醍醐味です。
帯や小物も、夏専用の透け感のある素材のものを合わせます。
日本の蒸し暑い夏を快適に、そして美しく過ごすための先人の知恵が詰まっていますね。
季節の先取りが基本?月ごとの着物の選び方
着物の世界では「季節を先取りする」のがおしゃれだとされています。
実際の季節よりも少し早めに、次の季節を感じさせる色や柄を取り入れるのが粋なのです。
逆に、季節外れの柄(春に紅葉など)を着るのは野暮とされてしまうので注意が必要です。
ここでは、月ごとにどんな着こなしをすればいいのか、具体的なヒントを紹介します。
季節感を味方につければ、着物コーディネートがもっと楽しくなりますよ。
1. 春(3月〜5月)にふさわしい色と素材
3月はまだ肌寒い日もありますが、日差しは春めいてくる時期です。
桃の節句やお花見に合わせて、ピンクやクリーム色などのパステルカラーが似合います。
梅、桃、桜といった春の花の柄を取り入れて、ウキウキするような気分を表現しましょう。
4月、5月と暖かくなるにつれて、爽やかな若草色や藤色などもおすすめです。
ただし、桜の柄は「桜が満開になるまで」に着るのが粋とされています。
散り始めたら、次は藤や牡丹など、初夏の花へとシフトしていくのがおしゃれ上級者です。
2. 夏(6月〜8月)を涼しく過ごす着こなし
6月の単衣の時期は、雨が多い季節でもあります。
紫陽花(あじさい)の色のような、青や紫などの寒色系を取り入れると、すっきりとした印象になります。
帯周りの小物にガラス素材などを使うのも、涼しげでおすすめですよ。
7月・8月の薄物の時期は、白や水色、銀鼠(ぎんねず)などの淡い色が好まれます。
柄は、金魚、朝顔、流水、花火など、夏ならではのモチーフが大活躍します。
黒や濃い色の紗の着物も、透け感が際立って逆に涼しげに見えるので、大人っぽい装いにぴったりです。
3. 秋(9月〜11月)に取り入れたい深みのある色
9月の単衣の時期からは、秋の気配を感じさせる装いにチェンジします。
まだ暑さが残っていても、色はボルドー、辛子色、茶色などのこっくりとした秋色を取り入れましょう。
柄も、お月見のうさぎや、菊、桔梗(ききょう)などが季節感を演出してくれます。
10月からの袷の季節には、紅葉やイチョウの柄が映えますね。
深まる秋に合わせて、着物の色も徐々に落ち着いたトーンにしていくとしっくりきます。
帯揚げや帯締めに少し濃い色を効かせて、全体を引き締めるのも素敵なテクニックです。
4. 冬(12月〜2月)の寒さ対策と暖かな素材
冬の着物は、見た目の暖かさと防寒対策がポイントになります。
椿や梅、南天などの冬の花や、雪の結晶の柄などが季節に合いますね。
お正月には、松竹梅や宝尽くしなどの縁起の良い柄で、新年を祝う気持ちを表しましょう。
素材としては、ふっくらとした「縮緬(ちりめん)」や、温かみのある紬などが恋しくなります。
羽織やコート、ファーのショールなどで防寒しつつ、重ね着のおしゃれを楽しめるのも冬ならでは。
足元が冷えるので、別珍(べっちん)の足袋などを活用するのもおすすめです。
失敗しないために意識したいTPOの考え方
ここまで種類や季節について見てきましたが、最後に一番大切な「TPO」についてお話しします。
着物はただ着ればいいというものではなく、その場の空気に合わせることが何より重要です。
「自分がおしゃれならいい」ではなく、「周囲との調和」を考えるのが着物美人の第一歩です。
具体的に意識すべきポイントは以下の3つです。
- 立場(ホストかゲストか)
- 家紋の有無
- 会場の雰囲気
これらを意識するだけで、「場違い」な失敗を防ぐことができます。
それぞれのポイントを少し深掘りしてみましょう。
1. 招かれた立場と主催者の立場での違い
自分が「招く側(主催者)」なのか、「招かれる側(ゲスト)」なのかで、選ぶ着物は変わります。
例えば結婚式では、新郎新婦の母親(主催者側)は最も格の高い黒留袖を着て、ゲストへの敬意を示します。
一方、友人のゲストは、主役を立てつつ華を添えるために、訪問着や振袖などを選びます。
お茶会などでも、亭主(主催者)よりも客の方が格上の着物を着るのは、場合によっては失礼になることもあります。
常に「自分は今日、どういう立場で参加するのか」を問いかける癖をつけましょう。
相手を立てる謙虚な気持ちが、着物選びにも表れるものです。
2. 相手への敬意を表す「家紋」の役割
着物に入っている「家紋」は、単なる飾りではありません。
家紋は家のルーツを示すものであり、数が多いほど格式が高くなります。
五つ紋が最高格で、次に三つ紋、一つ紋と続きます。
紋が入っているということは、「私は正装をして、あなたに敬意を払っています」というメッセージになります。
逆に、カジュアルなパーティーに五つ紋の着物で行くと、「堅苦しすぎる」「重すぎる」と思われることも。
紋の数で格をコントロールできるのも、着物の面白いところですね。
3. 会場の雰囲気や格式に合わせる重要性
同じ「結婚式」でも、高級ホテルでの披露宴と、レストランでのカジュアルなパーティーでは雰囲気が違いますよね。
会場の豪華さや格式に合わせて、着物のランクも微調整する必要があります。
豪華なホテルなら、金銀の箔がふんだんに使われた訪問着が映えますが、レストランなら少し軽めの付け下げや小紋の方が馴染むこともあります。
事前に会場のウェブサイトを見たり、一緒に行く友人と相談したりするのも良い方法です。
「少し格を上げすぎたかな?」と心配な時は、帯を少しカジュアルなものにしてバランスを取るという裏技もありますよ。
その場にすっと溶け込むような装いができれば、あなたはもう立派な着物上級者です。
着物の種類をパッと見分ける簡単なポイント
「いろいろ聞いたけど、やっぱり見分けられるか自信がない…」
そう思うのも無理はありません。
でも、実はたった2つのポイントを見るだけで、大体の種類は見分けられるんです。
見るべきポイントは以下の2点だけです。
- 絵羽模様になっているか
- 染めか織りか
これさえ分かれば、呉服屋さんやリサイクルショップに行っても、すぐに「これは訪問着だな」「これは紬だな」と判断できるようになります。
最後にこの魔法の見分け方を伝授しますね。
1. 着物を広げたときに「絵羽模様」になっているか
着物をハンガーにかけた時や、広げた時の「柄のつながり」を見てください。
縫い目をまたいで、一枚の絵のように柄がつながっていたら、それは「訪問着」や「留袖」「振袖」といった【格の高い着物】です。
これを「絵羽模様(えばもよう)」と呼びます。
逆に、縫い目で柄が途切れていたり、全体に同じ柄が散りばめられていたりする場合は、「小紋」や「紬」などの【普段着・おしゃれ着】です。
「柄がつながっていればフォーマル」と覚えておくだけで、大きな間違いは防げますよ。
とてもシンプルですが、一番確実な見分け方です。
2. 生地の織り方と染め方の違いを見る
もう一つは、生地が「染め」か「織り」かを見ることです。
白い生地に後から色や柄を染めた「染めの着物」は、柔らかくてしっとりした手触りで、フォーマルからおしゃれ着まで幅広くあります。
一方、色のついた糸を織って柄を出した「織りの着物(紬など)」は、少し張りがあって硬めの手触りで、基本的にカジュアルな普段着です。
業界では「染めの着物に織りの帯、織りの着物に染めの帯」というコーディネートの定石もあります。
まずは生地を近くで見て、「これは後から絵を描いたのかな?」「それとも糸の色で柄を出しているのかな?」と観察してみてください。
慣れてくると、一目でその違いが分かるようになりますよ。
まとめ
着物の種類は一見複雑に見えますが、大きく「礼装」「準礼装」「略礼装」「外出着」の4つのグループに分かれています。
まずは「結婚式などの式典用」か「普段のお出かけ用」か、この2つを区別することから始めましょう。
それさえ間違えなければ、大きなマナー違反にはなりません。
そして、季節に合わせた「袷・単衣・薄物」のルールと、季節を少し先取りする色柄選び。
これらを意識することで、あなたの着物姿はより一層輝きを増します。
難しく考えすぎず、まずは着てみたい一枚を見つけて、袖を通してみることから始めてみませんか?
着物は、着る人の心を豊かにし、背筋をシャンと伸ばしてくれる魔法の衣服です。
あなたもぜひ、素敵な着物ライフをスタートさせてくださいね。
