着物の着付け時間の目安は?美容院とセルフ・種類ごとの所要時間を解説

「久しぶりに着物を着ようかな」と思ったとき、真っ先に気になるのが時間の問題ですよね。美容院でお願いするにしても、自分で頑張って着るにしても、着物の着付け時間の目安がわからないと当日の予定が立てられません。私も昔は準備にかかる時間を甘く見ていて、約束の時間に遅れそうになり冷や汗をかいた経験が何度もあります。

着物の種類や着付けの依頼先によって、必要な時間は大きく変わってくるものです。この記事では、シーン別や種類ごとの着物の着付け時間の目安を詳しく解説しますね。美容院での所要時間や、セルフで着る場合の時間配分もしっかり押さえておきましょう。これさえ読めば、当日は焦らず余裕を持って出発できるはずです。

目次

着付け時間の全体的な目安とは?

着物を着るために必要な時間は、単純に「着る時間」だけではありません。トータルでどれくらいの時間を確保しておくべきか、まずは全体のイメージを掴んでおきましょう。ここを把握しておけば、スケジュールの組み方が格段に上手になりますよ。

1. 着物の種類や依頼先で変わる平均的な時間

着付けにかかる時間は、誰が着せるか、そして何を着るかによって大きく変動します。ざっくりとした目安を知っておくだけでも、当日の動きがイメージしやすくなりますね。

一般的な着付け時間の目安:

依頼先・方法着物の種類時間の目安
美容院・プロ訪問着・留袖約30分〜40分
美容院・プロ振袖約40分〜50分
セルフ(初心者)普段着・訪問着約60分以上
セルフ(慣れ)普段着・訪問着約15分〜20分

プロにお願いする場合は手際が良いので早いですが、移動時間なども考慮する必要があります。自分で着る場合は、トラブルが起きた時のために予備時間を多めに取っておくのが安心ですね。

2. 着付け以外にかかる移動や準備の時間

着付け自体の時間だけを計算してスケジュールを組むと、後で痛い目を見ることがあります。美容院への往復時間や、家を出るまでの細かな準備時間も「着付けに必要な時間」としてカウントしておきましょう。

意外とかかる付帯時間の例:

  • 美容院までの移動時間
  • 着替えた洋服を畳んでしまう時間
  • 草履に履き替える手間

特に草履は履き慣れていないと、玄関を出るだけで数分かかってしまうこともあります。家を出る瞬間まで気を抜かずに、余裕を持ったタイムスケジュールを組むことが大切です。

3. トイレや荷物整理など見落としがちな時間

着物を着終わった後、すぐに出発できるわけではありません。帯を締めた状態でのトイレは洋服とは勝手が違うため、思いのほか時間がかかるものです。出発直前のお手洗いは必須事項として計画に入れておいてください。

また、持っていくバッグの中身を入れ替える時間も必要になります。着物用バッグは容量が小さいことが多いので、荷物の厳選に迷ってしまうんですよね。こうした「名もなき時間」の積み重ねが、遅刻の原因になりがちです。

美容院で着付けを頼む場合の所要時間

結婚式や成人式など、絶対に失敗できない日は美容院にお願いするのが確実です。プロの手による着付けは崩れにくく美しいですが、予約枠には限りがあります。メニューごとの所要時間を知って、最適な予約時間を確保しましょう。

1. 着付けのみを依頼する場合の時間

すでにヘアメイクを自分で済ませていて、着付けだけを美容院にお願いする場合です。このパターンだと、入店から退店までは比較的スムーズに進みます。

着付けのみの所要時間目安:

  • 訪問着や留袖:約30分
  • 振袖:約40分
  • 浴衣:約15分〜20分

ただし、これはあくまで「着付けが始まってから終わるまで」の時間です。前の人の支度が押していたり、荷物の確認に時間がかかったりすることもあります。予約時間の15分前には到着しておくと安心ですね。

2. ヘアセットとメイクを含めたトータルの時間

多くの場合、着付けと合わせてヘアセットやメイクも依頼することになるでしょう。すべてお任せする場合、トータルで1時間半から2時間近く見ておく必要があります。

トータル所要時間の内訳イメージ:

施術内容所要時間の目安
ヘアセット約30分〜40分
メイク約20分〜30分
着付け約30分〜40分
予備・会計約15分

ヘアスタイルにこだわりがある場合は、さらに時間がかかることもあります。事前に希望の髪型の写真を送っておくなど、当日のカウンセリング時間を短縮する工夫も効果的ですよ。

3. 振袖など帯結びが複雑な場合の追加時間

成人式の振袖などは、他の着物と違って帯結びが非常に華やかで複雑です。飾り紐を使ったり、ひだをたくさん作ったりするため、どうしても時間がかかってしまいます。

一般的なお太鼓結びよりも、10分から15分ほど余計にかかると考えておきましょう。帯揚げや帯締めの飾り結びも凝ったものにするなら、さらに時間はプラスされます。こだわりのある方は、予約時に「凝った帯結びを希望したい」と伝えておくのが親切ですね。

自分で着付けをする場合の所要時間

自分で着物を着られるようになると、ちょっとしたお出かけがぐっと楽しくなります。でも、慣れないうちは手順を確認しながら進めるため、想像以上に時間が過ぎてしまうものです。自分のレベルに合わせた時間設定が重要になります。

1. 初心者が着る場合にかかる時間の目安

着付け教室に通い始めたばかりの方や、久しぶりに着る方は、最低でも1時間は確保してください。「1時間も?」と思うかもしれませんが、途中で襟元が決まらなかったり、帯が緩んだりしてやり直すことはよくあります。

初心者がつまずきやすいポイント:

  • 長襦袢の襟合わせ
  • おはしょりの処理
  • 帯枕を背中に乗せる瞬間

焦れば焦るほど手元が狂ってしまうのが着付けの怖いところです。動画を見ながら着る場合は、再生・停止を繰り返す時間も考慮しておきましょう。リラックスして着るためにも、十分すぎるほどの時間を取ることをおすすめします。

2. 慣れている人が着る場合にかかる時間の目安

普段から着物を着慣れている人なら、驚くほど短時間で支度が整います。私の周りの着物仲間も、洋服に着替えるのと変わらない感覚でパパッと着てしまいますね。

慣れた人の所要時間:

着物の種類時間の目安
普段着(半幅帯)約10分〜15分
外出着(名古屋帯)約15分〜20分
礼装(袋帯)約25分〜30分

手順が体に染み付いているので、迷う時間がありません。ここまで短縮できれば、朝の忙しい時間でも気軽に着物を楽しめるようになりますよ。

3. 名古屋帯と袋帯による時間の違い

自分で着る場合、時間の鍵を握るのは「帯」の種類です。一重太鼓の名古屋帯に比べて、二重太鼓を結ぶ袋帯は、長さも重さもあるため扱いが難しくなります。

袋帯の方が時間がかかる理由:

  • 帯が長く、扱うのに体力がいる
  • 二重太鼓の形を綺麗に整えるのが難しい
  • 柄合わせに気を使う必要がある

特に礼装用の袋帯は生地が厚くて硬いものが多いです。名古屋帯なら20分で着られても、袋帯だと30分以上かかることはザラにあります。久しぶりに礼装を着るなら、前日に帯結びだけでも練習しておくと良いでしょう。

浴衣や普段着の着付けにかかる時間

夏祭りや花火大会、あるいは近所への散歩など、カジュアルな着物は気負わずに着たいですよね。着付けのルールも比較的緩やかなので、所要時間も短くて済みます。

1. 浴衣や半幅帯の着付け時間

浴衣は着物の中で最もシンプルで、着付け時間も最短です。長襦袢を着る必要がなく、帯も簡単な半幅帯を使うため、初心者でも30分あれば十分着られます。

浴衣着付けの時短ポイント:

  • 補正を最小限にする
  • 帯結びは簡単なリボン結びや文庫結びにする
  • 素足に下駄なので足袋を履く時間がない

慣れてくれば10分程度で着替えが完了します。夏の暑い時期、汗だくにならずにサッと着替えて出かけられるのは大きな魅力ですね。

2. 小紋や紬など普段着の着付け時間

お友達とのランチや観劇などに行く際の小紋や紬も、比較的スムーズに着られます。名古屋帯を使うことが多いですが、多少の着崩れも「味」として許容される範囲が広いです。

所要時間は慣れた人で20分、初心者で45分程度見ておけば安心でしょう。普段着なので、あまり神経質になりすぎず、楽しんで着る気持ちを持つことが時短にもつながります。

3. ウールや木綿着物の手軽な着付け時間

ウールや木綿の着物は、滑りにくく着崩れしにくい素材なので、初心者にとって非常に扱いやすいです。絹のようにツルツル滑って紐が緩むことが少ないため、一発で決まりやすいんですね。

これらは基本的に普段着扱いなので、帯も半幅帯で気楽に結ぶことが多いです。浴衣に長襦袢をプラスした程度の手間なので、15分から20分ほどで着ることができます。家事をする時などにサッと着るのにも向いていますよ。

訪問着や留袖など礼装の着付けにかかる時間

結婚式や式典などのフォーマルな場では、着付けの美しさが求められます。シワひとつない完璧な着姿を目指すため、どうしても時間は長くなりがちです。プロに頼む場合も自分できる場合も、ここの時間は削らないようにしましょう。

1. 結婚式での留袖の着付け時間

留袖は既婚女性の第一礼装であり、着物の中でも特に重厚感があります。比翼仕立てといって襟が二重になっているため、襟合わせをピシッと決めるのに神経を使います。

美容院でも留袖の着付けには40分程度かけることが多いです。紋の位置を背中の中心に合わせたり、裾の長さを厳密に調整したりと、微調整の連続だからです。親族として出席する場合は、早めに会場入りする必要があるため、逆算してかなり早い時間の予約が必要になります。

2. 入学式や卒業式での訪問着の着付け時間

お子様のハレの日にお母様が着る訪問着も、人気の高いスタイルです。留袖ほど堅苦しくはありませんが、やはり写真に残る機会が多いため、丁寧な着付けが求められます。

所要時間は30分から40分程度が目安です。春先の式典シーズンは美容院が非常に混雑します。「着付け30分」と言われていても、待ち時間が発生する可能性が高いです。式典の開始時間に遅れないよう、1時間の余裕を持って行動することをおすすめします。

3. 喪服を着る際にかかる時間

急に必要になることが多い喪服ですが、これも黒紋付という礼装の一つです。小物がすべて黒で統一されているため、組み合わせに迷うことはありませんが、着方自体は留袖と同じく丁寧さが求められます。

ただ、急なことなので美容院の予約が取れないことも多いでしょう。自分で着る場合は40分程度見ておくと良いですが、気持ちが動転していると普段通りに着られないこともあります。できるだけ深呼吸して、落ち着いて着る時間を確保してください。

振袖や袴など特殊な着物の着付けにかかる時間

成人式や卒業式で着る振袖や袴は、一般的な着物とは構造や着方が異なります。これらは着る機会が人生で数回しかないため、ほとんどの方がプロにお任せすることになるでしょう。

1. 成人式の振袖着付けにかかる時間

振袖は袖が長く、帯結びも豪華になるため、着付け技術の集大成とも言える難易度です。美容師さんにとっても大仕事なので、着付けだけで40分から50分はかかります。

成人式当日は早朝から大勢の新成人が美容院に詰めかけます。流れ作業のように進んでいきますが、それでも一人当たりの時間は短縮できません。トイレに行く時間や、慣れない草履で歩く時間も含めると、お支度完了から会場到着までかなり余裕を持たせる必要があります。

2. 卒業式の袴着付けにかかる時間

袴は着物の上にスカート状の袴を履くスタイルです。帯結びがシンプル(袴下帯)なので、振袖に比べると着付け時間は短く済みます。

所要時間は約20分から30分程度です。ただし、袴は足元のバランスが重要で、ブーツを履くか草履を履くかで丈の調整に時間がかかることがあります。ブーツの場合は紐を結ぶ時間も必要なので、その分も計算に入れておきましょう。

3. 七五三の子供の着付けにかかる時間

お子様の着付けは、大人とは全く違う難しさがあります。じっとしていられない、着物を嫌がる、トイレに行きたくなるなど、予期せぬ事態の連続です。

3歳の被布なら15分程度ですが、7歳の振袖となると大人顔負けの30分以上かかることもあります。ご機嫌を取りながら進める時間も必要なので、予定時間の1.5倍くらい見積もっておくのが親御さんの心の余裕に繋がりますよ。

着付け時間を短縮するためにできること

「当日の朝はバタバタしたくない!」という方のために、時間を短縮するコツをお伝えします。事前の準備さえしっかりしておけば、当日の所要時間を大幅にカットすることが可能です。

1. 長襦袢に半衿を事前につけておく重要性

着付け当日に一番時間を食うのが「針仕事」です。半衿が長襦袢についていないことに当日気づくと、その場で縫い付けることになり、30分以上のロスになります。

必ず確認すべきこと:

  • 長襦袢に半衿がついているか
  • 半衿が汚れていないか
  • 衿芯が入るようになっているか

美容院に持ち込む場合でも、半衿が付いていないと着付けを断られるか、追加料金と時間がかかります。数日前には必ずチェックしておきましょう。

2. しつけ糸を取って小物を揃えておく準備

新品の着物やクリーニングから戻ってきた着物には、「しつけ糸」がついています。これを着る直前に取ろうとすると、意外と手間取って焦る原因になります。

前日までにやっておくべき準備:

  • しつけ糸を全て取っておく
  • 腰紐や伊達締めを袋から出しておく
  • 足袋のコハゼ(留め具)を一度通して馴染ませておく

特に小物をパッケージから出す作業は地味に時間がかかります。タグを切ったりシールを剥がしたりする作業は、前夜のリラックスタイムに済ませておいてください。

3. 前開きで脱ぎ着しやすい服装で行くメリット

美容院で着付けてもらう場合、着て行った洋服を脱ぐ時間も重要です。ヘアセットを先にした後に着替えることが多いので、被り物の服(Tシャツやニット)だと、せっかくセットした髪が崩れてしまいます。

おすすめの服装:

  • 前開きのシャツやブラウス
  • ファスナー式のパーカー
  • 足元は脱ぎ履きしやすい靴

これなら髪型を崩さずにサッと脱ぐことができ、着付けへの移行がスムーズです。美容師さんへの配慮にもなり、結果として自分の支度時間が短縮されます。

当日の支度が長引いてしまう意外な理由

「準備万端!」と思っていても、当日に落とし穴があるものです。現場でよく起こる、時間が押してしまう意外なトラブルを知っておきましょう。

1. 紐や小物などの忘れ物があった場合

「腰紐が1本足りない!」「帯板を忘れた!」というのは、着付け現場で最も多いトラブルです。美容院なら貸してもらえることもありますが、探す時間や購入の手続きでタイムロスが発生します。

セルフ着付けの場合、代用品を探して家の中を走り回ることになり、汗だくになってしまうことも。チェックリストを使って、指差し確認をするのが一番確実な予防策です。

2. 補正タオルの調整に時間がかかる場合

着物を美しく着るためには、体の凹凸をなくす「補正」が欠かせません。この補正タオルの枚数や位置の調整に、意外と時間が取られることがあります。

特に美容院では、体型に合わせて丁寧に綿花やタオルを入れてくれます。これが着崩れ防止には重要なのですが、「思ったより時間がかかっているな」と感じるポイントでもあります。痩せ型の方や凹凸がはっきりしている方は、補正に少し時間がかかると心得ておきましょう。

3. 髪の毛が乾いていない状態からのスタート

美容院に行く際、朝シャンをして髪が半乾きのまま行ってしまう方がいます。ヘアセットは完全に乾いた状態からでないと始められないため、ドライヤーで乾かす時間(約10分〜15分)が追加されてしまいます。

これは完全なタイムロスです。前日の夜に洗ってしっかり乾かしておくか、どうしても朝洗うなら完全にドライしてからお店に向かいましょう。これだけでスムーズさが全く違います。

余裕を持って出発するためのスケジュールの例

最後に、理想的な当日のタイムスケジュールを考えてみましょう。「間に合うかどうか」ではなく「余裕を持って楽しめるか」を基準にするのがポイントです。

1. 予約時間は出発の何分前に設定すべきか?

出発したい時間(家や店を出る時間)から逆算して、着付け開始時間を決めましょう。

逆算の目安:

  • 出発時間
  • マイナス:予備時間(15分)
  • マイナス:トイレ・荷物整理(15分)
  • マイナス:着付け・ヘアメイク所要時間
  • 予約・開始すべき時間

例えば、10時に出発したいなら、9時45分に完了目標、ヘアメイク込みで1時間半かかるなら、8時15分には開始する必要があります。ギリギリの設定は遅刻の元です。

2. お手洗いや会計の時間を考慮した行動計画

美容院の場合、お支度が終わった後にお会計があります。成人式などの混雑時はレジ待ちが発生することも。また、着物を着た後にお手洗いに行っておきたいという心理も働きます。

これらの「施術以外のアクション」に合計15分〜20分は見ておきましょう。特に着物でのお手洗いは時間がかかるので、出発直前にバタバタしないよう、早めに済ませておくのが賢明です。

3. 雨の日や混雑時における時間の読み方

天候も時間配分に大きく影響します。雨の日は、雨コートを着たり、草履カバーをつけたりする手間が増えますし、タクシーが捕まりにくく移動時間が延びる可能性もあります。

天気が怪しい日は、普段より30分早めの行動開始をおすすめします。早く着きすぎて困ることはありませんが、遅れて困ることは山ほどありますからね。会場でゆっくりお茶をするくらいの余裕が、着物姿をより優雅に見せてくれますよ。

まとめ

着物の着付け時間は、プロに頼む場合でもセルフでも、事前の準備と心積もりで大きく変わります。美容院なら1時間〜1時間半、セルフなら習熟度に合わせて30分〜1時間以上を見ておくのが基本です。

ただ、時間はあくまで目安に過ぎません。「早く着ること」よりも「着崩れせず、一日を笑顔で過ごせること」の方がずっと大切です。今回ご紹介したポイントを参考に、余裕を持ったスケジュールを組んでみてください。時間に追われない優雅な所作こそが、着物姿を一番美しく見せてくれる最高のアクセサリーになりますよ。

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